タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

新年度に向けて

今日は年度末、私にとっては退職記念日である。2年前の会社を辞めた日、前日には志村けんさんの訃報が知らされ、私は正にこれから始まる緊急事態宣言に向かって、新しい人生を始めようとしていた。あれから2年、コロナ禍の2年間で世間も色々変わった。た…

なぜ肺や腎臓は左右一対で心臓は一つしかないのか?

昨日のブログで「昆虫類やタコ・イカ類は心臓を複数持っている」という話をした。幼少の頃、『なぜ心臓は一つしかないのだろう』と思ったことがある。左右2つあれば、一方が動かなくなっても、死に至らずに済むのにと思ったからである。ヒトは左右相称動物…

ノミに心臓はあるか?

今日は無脊椎動物の循環器系について調べた。「ノミの心臓」という言葉がある。気が小さくて臆病なことを意味するが、そう言われたノミはさぞかし心外であろう。だいたい、ノミが人間と同じように、血液を全身に送り出すポンプ役としての心臓を持っているか…

脊椎動物と無脊椎動物の分かれ目

ここ最近、動物の進化に関する調査を進めている。今日は脊椎動物と無脊椎動物の進化の分かれ目となったものについて考えてみた。 上表は脊椎動物と無脊椎動物の違いを示す。中学校の理科では、脊椎動物と無脊椎動物の違いは脊椎が有るか無いかであると習った…

農作業開始

今日は今年初めてのパークゴルフ。町内の同好会面々と久々に顔合わせしプレイした。開始早々は少し寒くて体が固まっていたが、その内 日が照り出し軽く汗ばむほどになった。芝生は全く伸びてないが、空ではひばりが鳴き生物が活動を始めたと感じた。早朝ウォ…

個体発生は系統発生を繰り返すか?

「個体発生は系統発生を短縮した形で繰り返す(発生反復の法則)」という仮説がある。これは、発生過程の形態について、ヘッケルという学者によって1866年頃に提唱された仮説である。確かにヒトの個体発生(受精卵から胎児期を経て成体になるまで)は、…

遺伝子から見た脊椎動物の進化

今日は、脊椎動物の進化が遺伝子的にはどのように行われたかを考察した。 上図の最上段は、コンピュータ解析により同定された脊椎動物の祖先の染色体が10本だったことを示している。この結果は、ゲノムが解読されている、ヒト・マウス・イヌ・ニワトリ・メ…

動物の進化における「骨」の意味

先週は動物の進化について考察した。 我々ヒトを含めた脊椎動物と非脊椎動物との進化の分岐点は脊椎を有するようになったか否かであった。また、脊椎の原型は脊索であり、この脊索は骨化した周辺細胞を備えておらず、体を支持したり保護する機能が不十分であ…

久々の東京

昨日今日とで妻と東京へ行って来た。目的は孫の子守である。昨年夏に男児を産んだ長女が、会社の同期の結婚式に出席するというのだが、旦那の方もその結婚式に呼ばれている。呼ぶ方も呼ばれる方も社内恋愛での結婚だからそんな風になるそうで、孫の子守に来…

動物の進化(その3)

今日は昨日の続きで、新口動物から脊椎動物への進化を扱う。 上図は新口動物からの進化系統樹である。分岐点としてキーとなるのが脊索・神経管の獲得である。 上図は新口動物からの進化において、神経系が消化管に対し背側に現れるか腹側に現れるかで、脊索動…

動物の進化(その2)

今日は昨日の続きで動物の進化後半である(昨日は三胚葉動物まで説明)。ただ後半を始める前に昨日説明した前半部分を「分子進化」の観点から振り返っておく。 昨日、『多細胞化した頃には、細胞間で協調して生命活動を行うために必要となる遺伝子はほとんど…

動物の進化(その1)

今日のテーマは動物の進化である。リンネの分類体系表を見ていると、生物は単純なものから複雑なものへ進化したように見える。ただし、最近のゲノム解析から得られた「分子進化」の観点からは、この分類体系や近縁関係に対し、修正すべき点が多々出て来たと…

花粉症発症メカニズム(分子レベル)

ここ最近の陽気で、今年も花粉症の症状が出て来た。鼻水が出るし目が痒い。花粉症については昨年2/24のブログで書いているが、抗体と細胞(マスト細胞)レベルでの調査結果となっていたので、今日は分子レベルまで掘り下げて調べてみた。 上図は花粉症の発症…

春めいて

ここ数日の陽気で拙宅庭の福寿草もようやく咲き始めた。 昨年は3月1日のブログに「福寿草が咲いた」と書いてあったので、今年は10日以上春の訪れが遅れていることになる。ただし、この富山でも一昨日から20℃超えの陽気が続いており、今年の春は三寒四温…

嗅覚の進化ー2

今日は昨日できなかった嗅覚の進化について考えてみた。嗅覚受容体は、色覚受容体や味覚受容体と同じGタンパク質共役型受容体(GPCR)である。GPCRは、このように匂いばかりでなく、味、光といった外界の刺激や、ホルモン、神経伝達物質といった内因性の刺激…

嗅覚の進化-1

先週から感覚の進化として、視覚(色覚)、味覚、温覚(辛味)、聴覚の進化を調べてきた。今日は嗅覚の進化を調べた。 上図は、ヒトがどのように「におい」を感知しているかを示している。嗅神経細胞の先端にある嗅覚受容体に におい分子が結合すると電気信…

聴覚の進化

今日は昨日の続きで耳(聴覚)の進化について調べた。 昨日のブログで、三半規管が魚類の先祖において既に備わっていたと書いた。上図はヒトの耳の構造を示すが、今日は三半規管の周囲に配置された「音を聴くための小器官」の進化を扱う。 上図は魚類の内耳…

三半規管の進化

先週は眼の進化について調べたが、今日はその次の感覚器として耳の進化について調べた。ただ耳と言っても、音を聞く役割の耳ではなく、体のバランスをとるための耳、すなわち「三半規管」が今日のテーマである。 まず、三半規管という言葉の意味だが、半規と…

筋肉痛はどのようにして痛いと感じられるのか?

今日は、筋肉痛や痛風を脳がどのようにして痛いと感じるかについて調べてみた。中学校の理科では、『皮膚には「痛点」があり、これを刺激すると痛いと感じる』と習った。ただこの知識からは、痛点を持たない筋肉がなぜ痛いのかの答えは出て来ない。 まずは、…

塩味と酸味の知覚メカニズム

今日は、昨日深く調べられなかった「塩味」と「酸味」の知覚メカニズムについて追跡調査した。 上図の上は塩味、下が酸味の説明図で、刺激物質が味覚細胞に入り込み、その刺激が神経細胞までどう伝達されるかのメカニズムを示している。「塩味」と「酸味」で…

味覚センサ

一昨日は「味覚」を話題にしたが、今日のテーマは味覚センサである。味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つがあり、五基本味と言われている。色覚では「光の3原色」と言われ、まるで光の特性のように言われるが、そうではない。光が3原色となるの…

辛いは味覚に入らない

昨日はエビ・カニ・ウニの味覚についての話だった。味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味と5種類あるが、辛味が入っていない。辛味とは、どうも舌・口腔で感じる痛覚あるいは温覚のようである。昨年のノーベル医学生理学賞は「温度や圧力を感じるしく…

エビやカニやウニは何故おいしいと感じるのか?

今日はエビやカニやウニがなぜおいしいのか調べてみた。味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つがあり、五基本味と呼ばれている。この5種類の味がバランス良く配合されている食品を食べた時、「おいしい」と感じる。 上図は蛋白質を構成する20種類…

眼のレンズの進化

今日も一昨日から引き続き眼の進化を考察する。 上図は単純なものから複雑なものまで、眼の構造・構成要素が分かるように整理した図である。眼の構成要素は脳神経系と表皮系に分けられる。昨日は脳神経系の代表格、網膜の進化が産み出す色覚の進化についてま…

色覚の進化

今日は眼の進化の続きとして、色覚の進化について調べてみた。 上図は脊椎動物への進化の過程で、魚類においてもう既に4色型色覚を獲得していたが、哺乳類においては青と緑の2色を失って2色型色覚となり、ヒトを含めて霊長類においては1色追加となり3色…