昨日のブログでは、赤紫蘇の葉にアントシアニンが含まれていることに触れた。今、街中のあちこちで咲き誇るアジサイの花もアントシアニンにて発色している。
アジサイはアルカリ性では赤、酸性では青い花を咲かせる。これは、アントシアニンの赤色が酸性土壌では青色へ変化することを暗示している。
上図で示すように、アントシアニンはアルミニウムイオンと結合して錯体(金属イオンと結合した複合体)を作り、この錯体が青色に発色する。酸性土壌にはアルミニウムイオンが溶けだすので、そこに咲くアジサイの色はこの錯体の色(青色)になる。
中心に金属イオンを配置する錯体色素物質の中で、生物の営みに欠かせないものが2つある。赤血球で酸素運搬を司るヘモグロビン(鉄錯体)と、光合成を行うクロロフィル(マグネシウム錯体)である。
上図を見て分かるように、2つは共にポルフィリン骨格(4個のピロール環を4個の炭素で結合した構造)を有し、違いは、中心が鉄イオンかマグネシウムイオンかだけである。エビやカニ、イカやタコなどの血にはヘモシアニンという色素が含まれており、これが酸素運搬を司るが、この中心にある銅イオンが酸素と結びつくと青色に発色する。
今日はアントシアニンから錯体へと話が飛んだが、生物には微量だが金属元素が必須だと分かった。家庭菜園をやっていると、時々『葉緑体を作る栄養素が欠けているのではないか』と思われることもあるが、ひょっとして土壌にマグネシウムが足りないのかも知れない。これからは苦土石灰も忘れず撒くようにしよう。