タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

経済のお勉強 税金について

 今日も昨日に引き続き経済のお勉強として、税金について調べた。

 上図は法人実効税率と消費税率の推移を表している。法人所得に対しては、法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税が課税される。法人実効税率とは、法人所得金額に対するこれらの課税合計額の割合である。この図を見ると、日本が国民からの課税を強化しながら法人からの課税を減免してきたことが分かる。
 この基本路線を引いたのは財務省である。景気により税額にぶれが生じる法人税から、安定財源となる消費税の方へ軸足を移したのである。これがそもそも間違いであった。税金には、累進課税という貧富の差を均す働きがあったのだが、消費税という一律課税を主軸としたため、低所得者の負担率が上がってしまい貧富の格差が開く結果となった。また、法人実効税率の低減は、株主資本主義の風潮とも相まって株配当金の拡大を促し、結果的には、企業の利益配分において、従業員の取り分を減らし(労働分配率の低減)、株主の取り分を増やすことになった。
 財務省は、消費税率を上げることが使命であるかのように考えている人の集団である。この財務省は消費税アップの際、財界を味方につけようと法人税の減免措置を提案した。消費税率が上がれば景気が冷え込み、結果的に企業の業績悪化に繋がるのだが、財界は深く考えず目先の利益に誘導され、消費増税の賛成側に回ってしまった。
 今 日本は、中産階級の多くが低所得層へ移行し、一部が就業所得にキャピタルゲインを積み増して高所得層へ移行しつつある。この分断はその内、政治の分断を産みだすかもしれない。現在の米国が分断しているように。