タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

一般会計予算の改善版を策定してみた

 令和6年度予算案が決まり財務省のホームページに掲載された。元財務省でかつ元内閣官房参与(現在嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授)の高橋洋一氏は、歳出費目の一つである「債務償還費」は不要であり、現時点で埋蔵金と見なすことができるとの見解を示している。この債務償還費は、現時点での債務残高を60年で完済するため積み立てる年度毎の費用と定義できる。つまりこの費目は「借金を完済するため積み立てる費用」となり、そうなると、今 日本国が行っている行為は、「借金を完済するため積み立てている費用を捻出するため借金をしている」ということになる。随分馬鹿げたことをやっているわけだが、高橋氏によれば、こんなことをやっているのは、先進諸国の中で日本だけだそうだ。他の国々はそんなことを遠の昔にやめており、日本は国際標準から外れたことを未だにやっていることになる。

 それでは、何故こんなことをやり続けているのだろうか? その理由は、高橋氏によれば、「財務省が ”国の財政は厳しい” という雰囲気を作り、国民に ”増税止む無し” との考えを刷り込みたいから」となる。と言うことで、この債務償還費を無しとし、その分を他の費目へ割り振って改善版予算を策定したら以下となった。

 この改善版予算は、自画自賛ではないが、素晴らしい予算となった。全体の予算規模を13兆円ほど低めに抑えながら、一般歳出(+3.1兆円)や地方交付税(+1.0兆円)を合計4兆円ほど増やした積極財政予算となっており、しかも歳入に占める国債費の割合を31.1%から22.5%まで下げているのだから申し分ない。
 この調子で、令和6年度予算案(原案)に対し改善版予算を策定したら以下のようになった。

 改善案では、原案に比べて、一般歳出と地方交付税において合計11兆円程度の歳出増となっており、今問題になっているGDP需給ギャップ(需要が10兆円程度足りない)が解消され、経済のデフレからの完全脱却を後押しすると思われる。そして、来年にはいよいよ賃金上昇が物価上昇を上回り、個人消費が回復して本格的な好景気が訪れると期待できる。そしてそうなれば税収増となり、それがまた積極財政となって経済へ伝搬する。このようにして、経済と財政の好循環が回り始めるのである。
 こんなバラ色の未来が高い確度で予想できるのに、財務省べったりの岸田政権では、財務省が作った原案に大きく切り込み、緊縮型から積極型へ大幅な修正を加えることはできないだろう。なんか無性に虚しくなってきた。