タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

決算書から見える未来

 決算発表のシーズンとなってきた。今日は決算書から日本経済の今後の動向を考えてみた。

 上図は、私が以前働いていた機械メーカの決算説明会資料からの抜粋である。売上(+9.1%)も利益(+22.7%)も増え増収増益となっている。要因としては、為替差と販売価格差があげられるが、販売価格を上げることができたのが、海外の物価高と円安で製品の価格競争力が上がったためであるから、間接的な為替要因と言っても良い。一方で、物量はほとんど増えておらず、若干のマイナス要因となっている。今年度は、流石にこれ以上の円安は望めないので、販売量が伸びなければ、減収減益となるであろう。

 上図は、北陸電力の決算説明会資料からの抜粋である。売上が微減となる中、黒字化を達成した。要因としては、小売料金改定、託送料金改定が大きい。一方で販売量は減っていてマイナス要因となっている。また、利益を売上高で割った 売上高利益率が13.4%と高い値になった。ただ23年度の経常利益には、燃料価格の変動が料金に遅れて反映される「燃調タイムラグ差益」が含まれている。
 2つの決算に共通するところは、「販売量が増えてない」点である。成熟産業になれば、いずれこのような姿になる。合理化投資を行って生産性を上げ、管理コストを下げ、利益を確保していくことになる。決して、調達コストを下げようと下請けいじめをしてはいけない。