タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

ウクライナ侵攻から1年半

 今日でロシアがウクライナへ侵攻してから1年半が過ぎた。今日は、昨日に引き続きロシアの内情を探り、この戦争の今後を占ってみたい。

 上図は、Wedge Onlineの記事からの抜粋であり、ロシアの実質GDP成長率の項目別寄与度を示している。ロシアの2022年の実質GDP成長率はマイナス2.1%であった。中身は、まず輸出の落ち込みが大きく、GDP成長率への寄与度はマイナス4.2%Pt(パーセント・ポイント)と成長の足を大きく引っ張った。一方輸入の方も大きく落ち込んだが、こちらの落ち込みはGDP成長率にとってはプラスに働くので、3.1%Ptとプラス要因となった。個人消費は冷え込み -0.7%Ptと成長を押し下げ、一方で政府消費が増え、財政支出の増大により、なんとか経済を回している様子が透けて見えてくる。

 上図は同じくWedge Onlineの記事からの抜粋であり、ロシアの連邦政府の財政を表している。2022年のロシア政府財政は(ウクライナ侵攻で歳出が大幅に増大したため)3.3兆ルーブルGDP比率 2.1%)の赤字となった。このグラフを見ると、日本のように歳入側に国債発行を入れて、予算の時点で歳出=歳入となってない。この記事に依れば、赤字は国民福祉基金の取崩しによって賄われたとのこと。国民福祉基金とは過去の油価高騰時の財政余剰を蓄えたものだが、この記事に依れば、2024年には底を突きそうな見通しである。これは、来年にはロシアが経済的に回らなくなることを意味する。

 さて、ウクライナの反転攻勢は遅々として進んでないようである。反転攻勢がスピーディに進み年内には停戦合意との期待もあったが、難しくなってきた。ただ、上述のロシアの窮状が分かれば、「別に急ぐ必要はない」として戦術を変えれば良いだけだと思えてくる。相手側の領域が要塞化している場合、攻める方が守る方の何倍もの損害を被る。ゆっくりと真綿で首を締めるように攻めれば良いのである。前線で戦う必要もない。むしろ、後方にある補給路を無人機で叩けば良い。前線では、攻めるぞ攻めるぞとフリだけして、敵に精神的なプレッシャーを与え続ければ良い。これをあと1年間続ければ、ロシアは内部から崩れて行く。

P.S.
 夕方、衝撃的なニュースが入ってきた。プリゴジンの乗った飛行機が墜落した という。プーチンはここまで一体何人の人を暗殺してきたのであろうか?