タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

実質的に終了していたマイナス金利

 日銀のマイナス金利解除のほのめかしがあってから一ヶ月が経過した。イールドカーブ・コントロールの終了に伴い、長期金利(10年物国債利回り)が0.86%まで上昇したと言う。下図には、国債の利回り曲線(イールドカーブ)が示されているが、日銀がイールドカーブ・コントロールを終了したため、不自然に下がっていた10年物国債の利回りが上がり、このカーブの凹みが解消され、カーブ全体が上へ(金利上昇の方向)振れ始めた。長期金利は住宅ローンの固定金利と連動するが、この固定金利は昨年から既に上昇基調で推移している。

一方で、短期金利の方には目立った動きがまだない。


 上表は日銀が発表した「業態別の日銀当座預金残高」からの抜粋であるが、市中銀行が日銀に預ける当座預金の利率を、①プラス金利、②ゼロ金利、③マイナス金利に分けて表している。これを見ると、今年の1月以降でマイナス金利の割合が1%未満になっていたことが分かる。これは、3月に発表されたマイナス金利の解除が、銀行関係者にとっては既成の事実であり、銀行業務にほとんど影響を与えなかったことを意味する。住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートに連動すると言われているが、ここまで短期プライムレートは全く動いていない。息子が変動金利でマンションローンを組んでいるので、短期プライムレートの今後の動きが気になるところである。