タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

為替はいよいよ円高基調へ移行するか?

 11月18日のブログで為替が円高に動き出したことを書いたが、この為替相場が先週一時1ドル141円台まで円高が進み、急激な円高に輸出企業の株が売られ、日経平均株価も大きく値を下げた。

 先日のブログでは、「為替は貿易収支や経常収支の黒字赤字には左右されず、日米の金利差で動く」と書いたが、日本も米国も政策金利を変えていない間に、円高が5、6円も進んでしまった。この円高のきっかけとなったのが、7日の参議院・財政金融委員会での日銀総裁の発言である。植田総裁は、大規模金融緩和の継続姿勢を見せた一方で、「年末から来年にかけてチャレンジングな状況になる」と発言した。この、具体的な時期を示しながら「チャレンジング」という言葉を使ったことで、市場には『日銀は思っていたより早くにマイナス金利を解除するかも知れない』との憶測が広がった。その結果が先週末の急激な円高進行である。
 現在為替は、貿易取引等の実需で動く割合が1割程度となっていて、残りの9割はFXも含めて投機で動くようである。このところの円高基調で、FXで日銭を稼いでいる連中は、ドル買い円売りのポジションを既にチェンジしてしまっているに違いない。ポジションチェンジに遅れた人は、半年ぐらいで稼いだ金額が僅か数日でパーになったという感じである。たとえ年利で金利差4%の利益が毎日1年間続いても、日割り金利で1%の為替差損(150円から1日で1円50銭の円高)が4日も出たら儲けが全部吹っ飛んでしまうのである。こんな状況になって来ると、プロの相場師はありとあらゆる情報をかき集めながら、相場を予測することになる。であるから、日銀総裁のこんな微妙な言い回しにも、相場が過敏に反応することになる。プロの相場師は、インサイダ情報が喉から手が出るくらい欲しいに違いない。
 このようにして、為替相場は短期的には、投機的に動くことになる。