タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

ステルス増税

 先月の国会答弁で岸田首相は、「少子化対策の財源確保のため、医療保険料に上乗せして徴収する支援金の負担額を、1人あたり平均で月500円弱と見込む」と言ったのだが、ここへ来て前言を修正した。

 先月の答弁では、負担額が小さく見えるよう「国民一人当たり」というまやかしの言葉を使ったが、実際保険料を負担する「被保険者一人当たり」で計算すると、一人当たり月々700円から950円の負担増になる。岸田首相は「決して噓はついていない」と言い張るだろうが、私には、国民から言葉たくみお金を巻き上げる詐欺師に見える。2月8日のブログでも書いたが、国民負担率を1975年の25.7%から2023年の46.8%にまで上げておきながら、この上まだ負担率を上げようとしている現政権に憤りを禁じ得ない。
 こんな状態になっている理由は、岸田政権が財務省の言いなりになっているザイム真理教政権だからである。歳出を抑え、歳入は取れるところから取れるだけ徴収することが政治家の使命とでも考えているような連中が、この国を貧困へと導いているのである。
 自民党の財政健全化推進本部は、財務省の教理である「基礎的財政収支プライマリーバランス)の黒字化」を標榜する党内組織であるが、その本部長 山口廣秀氏が先日、「PB目標先送りの声もあるようだが、それは本末転倒だ」と述べた。そんな財務省の目標が何故政治目標になるのだ と言いたい。政治家の本分とは、国民を幸せにすることであって、PBを黒字化にすることではないだろう、お前こそ本末転倒である。彼の発言はなおも続く。「日本の財政状況は世界で断トツに悪い。信認を損なわないためにも、財政健全化の努力は絶えず続けていかねばならない」と。健全性は、企業の財政も国の財政も資産と負債のバランスで見るのが常識であり、日本の財政は負債を超える資産を保有しているから健全だ と言いたい。ザイム真理教の催眠から目を覚まし、もっと勉強して真実を見極めよ とも言いたい。
 岸田政権は、昨年度より5兆円も少ない超緊縮の令和6年度予算を成立させた。いよいよ新年度が始まるが、岸田政権は国民に気付かれないよう、ステルス増税を仕掛けてくるだろう。こんな政権をいつまでも続けさせたら、日本が本当に二等国に成り下がってしまう。