タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

嘆かわしい令和6年度予算

 先週末で令和6年度予算が衆議院を通過し、憲法の規定により、参議院の議決のいかんに関わらず年度内に成立することとなった。

 上はその予算案のフレームであるが、能登半島地震の発生を受け、昨年12月の予算案(右)が本年1月(左)にはどう修正されたが書いてある。能登半島地震の復旧・復興用として、たったの5000億円が予備費に追加されただけである。末尾に阪神淡路大震災の時の補正予算を示すが、約1兆円の予算額となっている。阪神淡路大震災に対し、地震規模(マグニチュド)で2.8倍となった能登半島地震に対する予算額が何故半分で済むと見積もりできたのか理解に苦しむ。要は、見積もりなんかしていないのである。阪神淡路大震災の方は、全体で138ページにも及ぶ補正予算書に予算費目が細かく書いてある。能登半島地震より半月以上遅れて発生(1月17日発生)した阪神淡路大震災の方が逆に1ヶ月も早く予算成立(2月28日成立)となり、3月の月初から本格的に予算を執行しての復旧・復興が始まった。今回の岸田政権の対応がいかに遅く、また大雑把であるかが分かる。
 もう一点、令和6年度予算には致命的な欠陥がある。前年度よりも5兆円も減額となる超緊縮予算になっている点である。現在癌との闘病中である森永卓郎さんは、著書「ザイム真理教」の中で、カルト教団化する財務省の実態をあばき、その教義を守り続けて転落し続ける日本経済と国民生活に警鐘を鳴らしている。ザイム真理教のドグマ(教義)は「財政規律第一主義」であり、この間違った教義に従って、全ての施策を押し通そうとする。財務省のお抱えとなった学者もマスコミも、事あるごとに「日本の財政は危機的だ」と事実に反するデマを撒き散らす。財務省の飼いならしは内閣にも及び、岸田首相も鈴木財務大臣財務省の言いなりになってしまった。嘆かわしい限りである。