タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

2500年前の大地震

 23日、新潟大学の卜部教授により、今回の能登半島地震津波被害を受けた石川県珠洲市富山県沿岸が、約2500年前にも大津波に襲われていたことが示された。2014年、15年に、石川県と富山県でボーリング調査が行われたが、その調査で採取された津波堆積物の分析から、今回の地震と同様の大地震が2500年前に起きていた可能性があると言う。

 上図左は、ボーリング調査で津波の痕跡が確認された3地区(珠洲市射水市黒部市)、上図右は、今回の能登半島地震津波が確認された場所と津波高さ(気象庁調査結果)である。両者の傾向は良く似ており、2500年前にも同様の大地震が起きていた可能性はかなり高いと思われる。新潟県でもボーリング調査を行い同様の津波痕跡が見つかれば、大地震が起きた可能性は更に高まるだろう。石川、富山、新潟3県にまたがる津波痕跡となれば、今回のようなマグニチュード7.6程度の大地震であった可能性がある。

 上図は水田稲作の伝播ルートを示すが、2500年前と言えば、北陸に水田稲作が伝えられた頃と重なる。そしてこれは、大陸から稲作文化を携えて日本列島へやって来た渡来弥生人の子孫が、この北陸まで到達し米作りを始めた頃、大地震を経験したことを意味する。私の実家は射水市にあるが、この辺りは水田地帯で海抜3~4mの低地である。私の祖先も、2500年前大地震に遭遇した時はさぞやびっくりしたことであろう。田んぼに津波が押し寄せたかもしれない。でも、無事で良かった。あなた方が無事に生き延びたから、私は今この地で生きている。