タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

天気予報の難しいところ

 今日22日は冬至。昨日から今シーズン最強の寒波が襲来していて、今朝、雪がどれだけ積もっているか心配して玄関戸を開けたら、積雪は意外と少なく7,8cm程度だった。私は、今回の寒波は昨晩から今朝にかけてがピークになると思っていたので、『この程度で済んで良かった』と思った。ただ、そう思ったのは間違いだった。
 上図は今朝6時の天気図と衛星写真であるが、日本海にJPCZ(日本海寒帯気団収束帯 Japan-sea Polar airmass Convergence Zone)が発生し、そこで作られた大量の雪雲が日本列島に吹き付けられているのが分かる。このJPCZ付近は気圧の谷(低圧部)となるので、この地で交わった季節風は、暖かい日本海から大量の水蒸気をもらって上昇気流となり、上空で高層の雪雲を発達させる。この雪雲が日本列島にぶつかり、日本海側は大雪となる。

 上図は今日午前1:30から9:30までの衛星写真である。富山県地方は昨晩から今朝まで、雪雲の襲来はほとんどなかったが、8:30ぐらいから激しく雪が降り始め、昼過ぎまで降り続いた。その後も時折激しく降り、結局18時時点での富山市の積雪は30cmとなった。昼間の雪は通常降っても溶け積もらないのだが、今回は、昼間に積雪が積み増して30cmに達したのだから、正に大雪であった。
 さて私が、今回はそれほど大雪にはならないと思った理由は、『シベリアの高気圧が直ぐ移動性になって日本に張り出すから冬型は長続きしない』と思ったからである。実際、下図の右は、昨日9時の時点で24時間後を予想した天気図であり、シベリア高気圧は1044 hPaに勢力を落とし、その背後には低気圧が発生して、これから移動性となりかけている様子が伺える。しかしながら、実際は下図左のように、1052 hPaと強い勢力を維持しながらゆっくり南下するだけで、今日の午後までJPCZは消えなかった。

 天気予報は最近良く当たるようになったと言われるが、それでもやはり外れることはある。今回の場合で言うと、難しいのはJPCZの雪雲の当たり先。JPCZの雪雲が山陰に当たるか北陸に当たるかを正確に予測することは現時点では非常に難しい。これは、線状降水帯がどこに発生するかを予測するのと同じくらい難しいだろう。それからもう一つ難しい点はスーパーコンピュータの計算精度である。24時間後の気圧が8hPaも違ってくることもあるのだから、こういう激しく大きく変化する場合の気象予報には、まだまだ加味しなければならないことが抜けていて、外れる確率が高いのかもしれない。