タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

GDPに含まれるものと含まれないもの


 上は今朝の家庭菜園の収穫物である。これも日本国内で生産された価値ある物であるが、もちろん日本のGDP統計には含まれない。今日はGDPに含まれるものと含まれないものについて調べてみた。
1.貨幣経済の外にあるものはGDPに含まれない
 ① 家事労働
  ただし、家事代行サービス会社が行う家事はGDPに含まれる
 ② 自給自足的に生産されたもの(例:家庭菜園生産物)
  ただし、農家の自己消費はGDPに含まれる
2.金融のお金の流れはGDPに含まれない
 ① 銀行への預金、銀行からの利子受け取り
  ただし、銀行が貸付先から受け取る利子はGDPに含まれる
3.ストックの所有者移動はGDPに含まれない
 ① 株取引
  ただし、配当金は企業の利潤の一部であり、GDPに含まれていることになる
  証券会社が受け取る手数料はGDPに含まれる
 ② 土地の売買、中古住宅の売買
  所有者が替わっただけと見なされGDPには含まれない
  新築住宅はGDPに含まれる(ただし、土地代は除く)
 ③ 中古品売買
  中古車売買はGDPに含まれない
  メルカリやリサイクルショップでの売買はGDPには含まれない
4.家賃
 ① 持ち家の帰属家賃
  家賃はGDPに含まれる
  持ち家に対しても、借りた場合を想定した「帰属家賃」がGDPに含められる

 さて、先日のブログで、日本は一人当たりのGDPでは韓国にも抜かれてしまったと書いた。しかしながら、今日のGDPに関する調査を踏まえると、今まで気が付かなかった側面が見えてきた。
 

GDPはフロー経済の指標であってストック経済を反映するものではない
 GDPは基本、1年間で産み出された付加価値(物、サービス)を表し、その取引額の流れ(フロー)を捉えることで算出される。GDPはストック(資産)を反映するものではないので、お金をいくら貯め込んでもGDPはちっとも増えない。
 先日のブログで、日本の金融資産残高は2115兆円もあると書いた。この額は、GDP 558.6兆円(2022年度 実質)の 3.8倍もの値になる。豊かさとは、給料(フロー)と資産(ストック)の多さで定義されるとしたなら、日本はまだまだ豊かな国であり、足りないのは、貯め込んだ資産を消費や投資へ回して有効活用することである と言える。

P.S.
 以下、思い付いたことを箇条書き
・専業主婦が働き出し、家事や育児を業者へ任せるようになるとGDPは増える。
・中国や韓国では、外食が多い分 日本よりGDPは増える。
・中国の不動産業のGDPに占める割合は3割、一方で日本の割合は12% 。最近、中国の不動産業が破綻状態に陥りつつあるが、今まで中国が、不動産投資を成長のエンジンにして経済を引っ張ってきたことが良く分かる。また、そのエンジンを失った今後の中国の行末えが空恐ろしい。
・中国では土地は国有財産で売買できず、取引きは「土地の利用料」の売買となる。この土地の利用料がGDPに含まれるのかどうかは、調査したが分からなかった。