タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

税収が3年連続最高額を更新

 2022年度の国の一般会計税収が3年連続で過去最高を更新し、初めて71兆円台に乗る見通しとなった。21年度の67兆378億円に比べおよそ4兆円増(およそ6%増)の高い伸び率を示した。私の予想では、今年度も経済が順調に回復するから、23年度も更に4兆円程度の税収増を期待して良いだろう。防衛力強化で必要になる予算額は、向こう5年間で年間およそプラス3兆円規模であり、現状の税収増でもって十分賄える程度に思える。

 とにかく、防衛力強化のために増税するのは止めて欲しい。今年になってやっとアベノミクスの効果が目に見えるようになり、政府・日銀が共同声明で出した「2%物価安定目標」の達成がほぼ確実になってきたのだから、この大事な時期に景気の腰を折るようなことは厳禁であり、それを匂わす発言も厳に慎んでもらいたい。今は、日本人に染み付いた「物価は上がらないもの、経済は拡大しないもの」というマインドを変える大切な時期であるから、ようやく燃え始めた景気の火に水を掛けるようなことはしてはならないのである。
 少子化対策にかかるお金にしても、国債を財源と捉え積極的に活用して欲しい。子供に投資をすれば、将来その2倍も3倍ものリターンが見込めるのだから、「異次元」という言葉を使うのなら、まずは異次元の予算規模でやらないといけないはず。「貯蓄から投資へ」と言っている政府が、子供への投資を絞ってはいけないのである。そしてここでも日本人のマインドを変えなければいけない。国債は借金ばかりではない。むしろ「国債は未来への投資」と捉えるべきものである。

P.S.
 国債発行については、財政規律を重んじる財務省が「これ以上の借金は国を潰す」とか、「次世代に借金を残してはならない」と、何かにつけて否定的なコメントを並べ、国民に『増税は仕方ない』という雰囲気を醸成しようとしている。下表はその財務省が作成した日本国の貸借対照表(バランスシート)で、<負債の部>に国の借金の総額が、1411兆円と書いてある。

 メディアから知らされるのは、この<負債の部>の金額が馬鹿でかいことだけで、<資産の部>の金額も大きい(723.9兆円)ことは決して放映されない。経営者や経理が分かる人間は、貸借対照表で資産と負債を並べて経営の健全性を判断しており、借金の大きさだけで『会社が潰れる』とは判断しない。
 さて、資産から負債を引いた差額が令和3年度末で687兆円となり、財務省が言う国の借金の半分ほどになるのだが、それでもまだ大きな金額であり、GDPの数割増しぐらいの値である。ところが、ここに日銀の資産を含めて考えれば、状況は一変する。
 日銀の資産
  国債買取残高 553  兆円
  ETF買取残高 51.3 兆円(ETF:日経平均株価東証株価指数に連動する投資信託)
 日銀は日本政府の子会社であり、企業経営の立場で考えれば連結決算の対象となるが、この立場(日本政府と日銀の連結経営)で日本国の貸借対照表を作れば、純粋な借金(資産から負債を引いた金額)は100兆円足らずになることが分かる。日本が毎年新しい富(GDP)を600兆円弱も産み出す国だと考えれば、この借金の値は微々たるものであり、実に健全な経営となっていることが理解できる。財務省の口車に乗って岸田政権は増税を内に秘めた目標としているが、少しは経理の勉強をして、国の財務状況の真の姿を理解せよ と言いたい。


 上図は日韓の外貨準備高を示すが、日本の現時点での外貨準備高は、およそ1.2兆ドルである。これは、現時点の1ドル140円で換算すれば 168兆円であり、2年前の為替レート(1ドル110円)で換算すれば 132兆円となる。これは穿った見方をすれば、為替が円安に動き為替差益が36兆円も出ていることになる。これを防衛力強化で必要となる5年間の増額分に当ててもまだ十分おつりが来る。今この準備金をほんの少し(0.1兆ドル=14兆円)取り崩しても、為替がドル安方向へ多少動くかも知れないが、大勢に影響はないだろう。そして防衛力強化予算が準備できることになる。