タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

温室効果ガスの効果の度合い

 今日も暑い。今日は、台風7号が近畿地方を縦断中であり、富山県地方は風雨はまだ無いのだが、フェーン現象で朝から30℃を超す猛暑となっている。猛暑日や猛烈台風の増加は地球温暖化によるものと言われており、この対策としてのカーボンニュートラルへの取り組みが各国で始められている。今日は、CO2の増加がどの程度の温室効果を発揮するのか調べてみた。

 上図は大気中のCO2濃度を示すが、ここ50年でCO2濃度が3割程度上がっていることが分かる。さてここで疑問に思うところは、CO2濃度が3割も上がれば、温室効果も3割上がってとんでもない高温になるのではないかという点である。実際、とんでもない高温にはなっていないのだから、「なぜ?」と不思議に思ってしまう。

 上図は、太古の時代にはCO2濃度が今の10倍も20倍もあったことを示している。そんな時代は確かに、国連事務総長が言う「地球沸騰化」の時代だったのかも知れないが、実際地球が沸騰することもなく、生物は絶滅せずに生き延びてきた。そしてこの図で分かるように、CO2濃度が低かった時代は、地球が寒冷化して氷河が拡大し、生物にとってはむしろ生き難い時代だったみたいである。
 さて、話を本筋に戻す。CO2増加は地球の温度上昇にどれほど効いているのであろうか?
  
 上図は地表から宇宙空間へ放熱される赤外線スペクトルを表している。青線が地表レベルを、赤線が大気上端レベルを示す。従って、この{青線レベル-赤線レベル}が大気で吸収される熱量を表し、つまり温室効果ガスが吸収した分を表す。この図でも分かる通り、赤外線を吸収する大気の2大成分は水蒸気と二酸化炭素であり、ざっと見てCO2の温室効果は全体の約1/3で、残りの2/3は水蒸気によるものだと分かる。つまり、CO2が3割増加しても、温室効果はその1/3程度(1割程度)しか増加していないだろうと推測できる。
 次に、放射熱量と温度の関係を考えてみる。シュテファン・ボルツマンの法則では、「放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例する」となっている。今ここで絶対温度が288K(=15℃)の鉄球を熱して293K(20℃)へと5度Upした時、放出される放射エネルギー(赤外線量)が何割アップするかを計算してみる。この計算値は 293の4乗/288の4乗 ≒ 1.07となる。この計算は、物体への入射エネルギーを7%増やせば、物体温度が5度上がって放射エネルギーが7%増えて平衡状態になることを意味する。つまり、もし太陽からの入射エネルギーが7%程度アップすれば、地球の温度が5度ほど上がることになる。
 次に、温室効果ガスが1割(10%)程度増えた時、地球の温度がどの程度上がるかを考えてみる。ただ、これはなかなか難しい問題となる。温室効果ガスは地面からの赤外線を吸収して大気を温めるが、暖められた大気からは赤外線が放出され、地面へ戻る熱と宇宙空間へ逃げる熱とに分かれる。温室効果ガスが増えると、地面へ戻る放射熱量が増えると考えられるが、どの程度増えるか分からない。また、太陽から地面への入射エネルギーに対して、地面から大気へ放射するエネルギーがどの程度(何%)になるのかも分からない。今日は結局、温室効果ガスの効果の度合いを「CO2が何%増えた場合、温度上昇何度」という風に求めることができなかった。折を見て再度挑戦したい。

P.S.
 夜になって台風は日本海へ抜けたみたいである。当初より随分西寄りのコースとなったため、この富山では現在(11:00 P.M)小雨が降っているが風はほとんど吹いてない。