タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宇宙人(地球外高等生物)はいるか? その2

 今日のテーマは昨日と同じ「宇宙人はいるか?」だが、考察の進め方として、進化の方向性を変えるものは何かについて調べてみた。昨日のブログでは、全球凍結の終了時に酸素濃度が急上昇し、真核生物が生まれるきっかけとなったと述べた。進化は、環境が大きく変化する中で大量絶滅が起こり、生き残った種が新しい環境に適応して大繁栄する図式となっている。

 上図は酸素濃度と気温がどのように変化して来たかを示している。気温が大幅に低下したオルドビス紀末に大量絶滅が起こり、種のレベルで85%の海洋動物が絶滅した。そしてこの後、我々ヒトに繋がる魚類が次第に多様性を増していった。
 ペルム紀末には、何百万年もかけて地球の奥深くから上昇してきた(流動化したマグマの流れである)マントル・プルームが、上にある地殻と接触し、それを融かしてしまった。にじみ出てくる溶岩と有害なガスの煙が温室効果を高め、海を酸性にし、オゾン層をずたずたに引き裂き、紫外線に対する地球のシールドを低下させた。また、酸素濃度が急激に低下し生物は酸欠状態となった。海生生物のうち最大96%、すべての生物種で見ても90%から95%が絶滅した。そしてこの後繁栄したのが恐竜であった。ヒトへと繋がる哺乳類型爬虫類は一部の種で生き残ったが、繁栄には至らなかった。理由は低酸素濃度対応能力である。

 鳥類の祖先となる恐竜は、肺の前後に気嚢という臓器を作り、息を吸う時も吐くときも新鮮な空気が肺を通るように進化した。これにより恐竜は、低酸素濃度の中生代で大繁栄することになった。
 それでは、ペルム紀に酸素濃度が異常に高くなった理由は何であっただろうか? 石炭紀と呼ばれる約3億6千万年前、地球上では多くの植物が繁栄し、樹高30〜40メートルにも及ぶシダ植物の森林が広がっていた。高く伸びた木を支えるために、植物は木材を強固にするリグニンという物質を進化させた。しかしその当時、枯れた樹木に含まれるリグニンを分解できる生物がいなかった。枯れた樹木は分解されず地中に埋もれて石炭となる一方で、植物の光合成により酸素だけが増加し、大気中の酸素濃度がどんどん高くなっていった。(二酸化炭素濃度はどんどん下がっていった)。2億9千万年前、菌類(きのこ)が進化を遂げ、エリンギやブナシメジなどの祖先である「ハラタケ綱」のきのこがリグニンを分解する能力を身につけた。枯れた樹木が分解されると二酸化炭素が放出されるが、このリグニンを分解できる菌類の出現により、光合成により生産される炭水化物が分解され再び二酸化炭素に戻る炭素循環が確立されることになった。すなわち菌類の進化が、地球のサステイナブルな循環共生環境を作ったお陰で、我々人類へと至る進化の道が切り開かれたことになる。
 さて、生物進化を調べていく中で、環境変化に生物が進化で対応することもあれば、生物の進化自身が地球環境を変化させることがあることも分かってきた。人類への進化の道は、この道をここまで歩いて来たご先祖様だけでは決まらない。その回りの地球環境も生物進化に伴い変化してきた。また遠い昔に進化の分岐点でお別れした植物はもちろんのこと、菌類(きのこ)や恐竜も関係し合って人類への道が決まったことになる。
 さて、テーマに戻る。生物の進化を調べていたら、生物と惑星の共進化がないと高等生物への進化が有り得ないような気がしてきた。今までの議論では、「液体の水が存在することが生命誕生の必要条件」というところまでは合意されているようだが、問題は生命誕生だけではない。その先の高等生物への進化にも問題山積なのである。水以外にも必要なものがあるだろうし、ましてや、単純な生命(単細胞)ではなく、多細胞の生物と言っただけでハードルが上がり、神経系組織を持つ生物と言ったら、また一つハードルが上がるだろう。今後は「高等生物へ進化できる条件」を考えてみたい。