タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宇宙人(地球外高等生物)はいるか?

 今日のテーマは「宇宙人はいるか?」であるが、この質問に答えるための方法論として、「地球上に生命が誕生し人類へ進化したことは偶然か必然か」を考えてみた。
 真っ先に思い浮かんだのは、「恐竜は隕石の衝突がきっかけで絶滅した」である。もし隕石の衝突が無かったら、恐竜の時代が続いており、哺乳類はネズミのような姿で恐竜の陰に隠れて、生き延びていたかも知れないが、知能を持った人類へと進化していなかったはずである。そう考えると、これは偶然と言って良い。しかしながら、隕石が衝突しないで恐竜の時代が続き、知能を持った恐竜へと進化したものが出て来たかも知れないので、地球上で高等生物へ進化したものが現れることは必然か? と問われたら、進化の枝分かれで種は色んな方向へ範囲を広げて進化するが、最終的には知能を持つものが必ず現れるような気もする。
 人類が知能を持つきっかけとなったのは「二足歩行」と考えられており、二足歩行で自由になった手を色々使う中で脳が大きくなる方向へと進化が始まったと見られている。二足歩行をするようになったのは、気候変動でアフリカ東部の乾燥化が進み、それまでの樹上生活ができなくなったためである。よって、これも考えようによっては、たまたまその地域で生じた偶然であり、そんな事がいずれどこかで必ず起きていたはずと考えれば必然となる。
 このように考えていたら、答えが偶然なのか必然なのか分からなくなってきた。ただ、進化の方向性を大きく変えるのは環境変化であるとの思いを強くした。

 上図は、今から二十数億年前に起きた全球凍結の終了直後に大気中の酸素濃度がどう変化したかをシミュレーションした結果である。全球凍結以前に今の百万分の1(ppmクラスの濃度)しか無かった酸素濃度が凍結終了直後には一気に跳ね上がっているのが分かる。全球凍結という大きな環境変化で地球史初の大量絶滅が起こり、その後に酸素濃度が急上昇したわけだが、この急上昇はシアノバクテリアの爆発的な繁殖によりもたらされたと考えられている。そして、そのメカニズムは以下のように考えられている。
・全球凍結は火山活動によって発生した二酸化炭素が大気中に蓄積され、温室効果が増大することで終了した
・凍結終了時、地球の平均気温は60℃を超える高温になっていて、大陸表面が激しく浸食された
・大陸侵食の結果、生物の必須元素であるリンが大量に海へ供給され、シアノバクテリアの大繁栄に至った
 さて、全球凍結というイベントが起きていなかったら、酸素濃度の急上昇は起きなかった。そして酸素濃度が薄いままだったら、酸素を使って呼吸しエネルギーを得る真核生物も生まれていなかったことになる。人類どころではない、多細胞生物が生まれていなかったし、ゾウリムシのような単細胞・真核生物すら生まれていなかったことになる。
 今日のテーマを再度考えてみる。どうも、人類へと進化する道のりには数えきれないほどの分岐点があり、また条件が満たされないとそれ以上前に進めないゲートがあったようだ。人類はその曲がり角をたまたま良い方向へと進み、ゲート前に来た時は、たまたま条件が整いゲートが開いたみたいである。そして絶滅を免れ、繁栄へと辿り着いたわけである。他の星で、そんな幸運なことが起こるかと問われたら、起こり得ることだと答えるが、確率は非常に小さいとも言い添えることだろう。