タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

三霊山連携協定 自然とロマンに浸る旅

 富山、石川、静岡の3県が古くから信仰を集める立山、白山、富士山の「日本三霊山」を活用した地域振興の連携・協力協定を締結した。だいたい、他県の人にとっては、「日本三霊山」と言ってもどの山を指すか分からないだろうが、富山県の年配の人にとっては、直ぐ分かる言葉である。私も幼少期、祭りの宴席で父が歌う越中おわら節の中に、「越中立山 加賀では白山 駿河の富士山 三国一だよ」という歌詞があったので三霊山の認識はある。ただ、富山でも最近の若い人はそんなことを知らないに違いない。
 この三霊山を巡る巡礼の旅を三禅定(さんぜんじょう)と言うらしく、江戸時代には国内で最も壮大かつ過酷な霊山・社寺の参詣旅行であったそうだ。

 上図は、1823年知多郡大府村(現愛知県大府市)の百姓 平七が記した「三山道中記」に紹介された巡礼ルートである。大府を出発し、白山から立山に登り、善光寺や日光を挟みながら富士山も回って帰るという壮大なルートである。これを見ると、江戸時代の豪農がこんな長旅ができるほどまでに裕福になっていたことが分かりびっくりである。
 さて、地域振興と言っても、今どき巡礼の旅は流行りそうもないが、自然と触れ合いながら体力強化を図るトレイルの旅は人気を集めるかも知れない。

 上図は三禅定で検索したら出てきた画像で、グラフで標高まで付記してある。これはもう体力を鍛えるワンダーフォーゲルであり、余程体力に自信がないと、こんな行程を行こうとは思わないだろう。

P.S.
 日本三大仏と言った時、奈良東大寺の大仏と鎌倉大仏の2尊は直ぐに思い浮かぶが3尊目が出て来ない。ところが、富山県人は「3つ目は高岡大仏」と答える。地元びいきはどこにでもあるものだ。