タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

鎌倉時代の武士は中小企業の社長のような存在だった

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も残すところあと僅かになってきた。この後 実朝が暗殺され、承久の乱へと向かっていくことになるが、ここまでの血生臭い争いの数々を見てきて、私の鎌倉時代のイメージが変わってきた。私は、平家が滅んだ壇ノ浦の戦い(1185年)以降は源氏の天下に変わり、鎌倉幕府が日本全国を治めていたと思っていたが、どうもしばらくは鎌倉幕府の勢力範囲は東国のみであり、それが日本全体に拡大したのは承久の乱の1221年以降みたいである。そしてこの間の勢力争いが激しかった。しかも単なる戦(いくさ)ばかりでなく、騙し討ちや暗殺など何でもありで、武士同士の正々堂々とした戦いばかりを思い描いていた私のイメージがかなり崩れた。
 鎌倉時代から中世と言われており封建時代が始まった。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士は、今で言う中小企業の社長のような存在であり、どの主に就くかを自分で決め、常にリスクとベネフィットを天秤に掛けて判断し行動していたようである。多分、世の中が激動期の時は、そんな風な人が沢山生まれ活躍するのだろう。そんな時代がしばらくして世の中が安定してくると、今度は大企業の中堅管理職のような武士が増えてくる。戦国大名配下の武士であり、自ら判断することはなく、殿の命令を絶対とする武士である。歴史は、平和な安定期と混乱の激動期を交互に織り交ぜながら動いていくように思える。日本の社会も、自ら考え判断し、リスクを取って行動する人が少なくなると、ジリ貧になっていくように思える。