タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

虹が七色に見えるのは日本人だけ?

 今朝、北西の空に虹が立った。主虹の外側に薄く副虹も見えた。

 「朝虹は雨」ということわざがあるのだが、今日の雨雲は弱い冬型による雨雲で東進して来なかったので、その後の天気は雨にならずに済んだ。

 上図は、国によって虹の中に見える色数が異なることを示している。人種の違いで色の識別能力に違いが生じるはずがないので、これは文化の違い、特に色をどう表現するかの言語の違いから生じていると考えられる。アメリカ(英語)では、藍色が見えてないし、ドイツ(ドイツ語)では、藍色も紫も見えてない。
 上表は、紫、藍、紺 の3色が各言語でどう表現されているかを示している。まず「紫」は、日本語では色を表し、対応する英語 purple も色を表すが、ドイツ語やフランス語では、対応する violet は従来スミレという植物を示す単語であった。それが、近代に入ってからは、ultraviolet ray(紫外線)でも分かるように、可視光線の一番端の色としても認識され始めたようである。
 次に「藍」であるが、日本語の 藍 も他の言語の indigo も染料の原料である植物を指す言葉である。ただ日本語では、藍色の中で一番濃い色を「紺」と表現するし、「藍は藍より出でて藍より青し」の慣用句から分かるように、藍(色)は藍(植物)より青い色と古くから明確に認識されていたと思われる。一方で欧米が藍を染料としたのは、大航海時代にインド藍で作られた染料が広まってから以降であり、日本の奈良時代からに比べて格段に遅い。
 このようにして、色を表現する言葉とそれが使われ始めてからの歴史の長さの違いから、各国での虹の色数が異なって来ると思われる。