タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

ツバメの目には南北の方向が見えている?

 今朝は結構冷え込んだので、早朝ウォーキングでは、Tシャツの上に長袖シャツを羽織った。道には、一昨日の強風で散った金木犀の花びらが、ところどころオレンジ色の絨毯のように広がっていた。季節は一気に秋になった。ふと、『ツバメはもう南の国へ行ってしまったのであろうか』と思った。今日のテーマは、「渡り鳥は磁場を感知できるか?」である。
 ネットを調べていたら興味深い記事が見つかった。(以下)
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『鳥の目には「クリプトクロム」というタンパク質を含んだ特殊な視覚細胞が存在することが明らかになった。光子が目に入り、クリプトクロムにぶつかると、「量子もつれの状態で存在する電子」にエネルギーが供給される。[励起状態になり、「ラジカル対」と呼ばれる状態になる(日本語版記事)]。 その結果、2つの電子の一方が、数ナノメートル離れ、対になっているもう一方の電子とは少しだけ異なる磁場を感知する。』
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 なんと鳥類は、昨日話題にしたばかりの量子もつれを利用して磁場を感知しているらしい。しかも、その感知の仕方は、クリプトクロムというタンパク質を含む視覚細胞での感知であるから、地磁気の方向をぼんやり感じているのではなく、何等かのイメージとして見ていることになる。
 更に検索したら、神戸大学のサイトに「タンパク質結合水の運動が生物の磁気コンパスを制御 ―光受容クリプトクロムの電子伝達機構―」という論文が見つかり以下のように書いてあった。
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『渡り鳥や植物など様々な生物には、クリプトクロムとよばれる光受容タンパク質が存在します。クリプトクロムにはFADとよばれる青色光を吸収する色素が存在しており、この色素の青色光励起により近傍の複数のトリプトファン残基(WA(H), WB(H), WC(H))から段階的に電子を引き抜く化学反応が進行し長距離電荷分離状態FAD-•···WC(H)+•を生成します (図1) 。この状態は、磁性を示すラジカル対として一定の寿命で存在しますが、外部磁場の方向や強度によって電子スピン状態※1が影響を受けることで、その反応収量が変化するため、渡り鳥はこのような長距離電荷分離状態の磁性による量子力学効果(磁気コンパス)を利用し地磁気の方向を感知する仮説が提唱されました[1]。』
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と、ここまでの前書きを読んでも良く分からないが、多分、「光を受けて生じるクリプトクロムの化学反応の中で外部磁場の影響を受ける部分があり、それを感知して渡り鳥は地磁気の方向を感知する」と言っているのだろう。以下の図は、この論文からの抜粋である。

 渡り鳥は、特にこの磁気感知能力を発達させる方向で進化したのであろう。この能力は、昨日話した「不思議の国」の現象の応用であるが、自然界には、我々が気付いてない不思議の国からの影響がまだまだ沢山あるのだろう。これだから、不思議の国の探検はやめられない。