タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

我が家のモクレン 今年3度目の開花

 我が家のモクレンが今日2輪開花した。今年3度目の開花となる。


 3度も咲いたのは今年が初めてだが、何が原因であろうか? 今日は花が咲くメカニズムについて調べた。

 上図は「花咲ホルモン・フロリゲン」を介した花を咲かせる仕組みを示している。植物は、日長情報(日の長さが長くなる、あるいは短くなる)を感知し、葉でフロリゲンを産生する。このフロリゲンは維管束篩部を通って茎頂へと運ばれ、受容体に受け取られた後に花芽形成を開始する。

 上図は、フロリゲン(FT)がどのように働き花芽形成を促すかを示している。栄養成長相から生殖成長相への転換は、FTタンパク質によって引き起こされる。栄養成長相の茎頂分裂組織にはFDタンパク質しか存在しないため、花芽は作られない。花を咲かせる日長条件下では、FTタンパク質が葉から茎頂分裂組織へと輸送され、FT-FD複合体が形成されることで花芽形成が開始される。

 さて、上記説明は、葉が茂った後に花が咲く一般的な植物での研究結果であるが、モクレンは葉が茂る前に花が咲くので、この説明は、二度目はどのようなメカニズムで花が咲くかにのみ適用できる。サクラやモクレンなどの樹木では、冬を迎える時点でもう花芽ができており、その花芽は冬の間もゆっくりと成長し、春まだ浅き頃に開花する。つまり、秋の落葉前にフロリゲンが産生され、花芽が形成されると考えるのが妥当であろう。まずこれが、モクレンの標準スタイルとなる。次に二度目三度目がどのようなメカニズムで咲くかを考えると、これはあくまでも想像だが、突然変異で日の長さが最長となる頃(夏至の頃)にも、フロリゲンを産生する株が誕生した。このモクレン夏至の頃のフロリゲン産生量は少量であり、従って、二度目開花時の花数は、早春時に比べて圧倒的に少ない。今年は梅雨明けが2回あるような変な夏であり、ここへ来てフロリゲンが再度産生されたので、結果三度も花咲く事態となった。