タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

未知との遭遇の確率

 今日は、地球外文明と遭遇する確率がどの程度あるか考えてみた。先日、はやぶさ2が持ち帰った砂からアミノ酸が検出されたことがニュースになったが、生命の素材となる物質が宇宙にはざらにあることが分かり、少年時代のSF的期待が膨らんだわけである。

 上は、我々が住む天の川銀河に宇宙人(知的文明)がどの程度いるかを自分なりに計算したものである。計算に使った入力値は、(2000億個)以外は私の思い付きの値であり、エビデンスは全くない。ちょっと解り難いのがftであるが、これは、地球が生まれて46億年の歴史の中で、人類が生まれて高々20万年であり、あと30万年もすれば人類は絶滅すると仮定して、すなわち、知的生命として生きながらえている時間の割合を 50万年/46億年 として算出した。
 計算結果は 54,348 と結構大きな値となった。ただこれは、宇宙人との遭遇の可能性が高いことを意味しない。夜空に輝く星々は遠すぎて、光のスピードで行っても何十年も何百年も掛かる。SFでは「ワープ」を使って瞬間移動するのだが、相対性理論にも量子力学にも反するワープができるわけがない。つまり「遭遇」は有り得ない。それで、せめて地球外文明と通信ができるか考えてみた。
 上は昨年1月のブログで示した太陽系近傍の地図である。これを見ると、夜空に輝く多数の星々のほとんどが、我々が住む太陽系の極々近傍に存在していることが分かる。そして、この近傍の星々でさえ、通信しようとすると、何十年も何百年も掛かる。つまり、双方向的な通信は実際不可能となり、できるのは一方向のみで、「情報含んでいると思われる意味がありそうな電波の受信」だけとなる。
 上図の太陽系近傍内に限定して再度計算したら、以下のようになった。

 さて、ここまで限定しても、私の計算ではまだ34も存在する。ただ、この文明から意味ある信号を地球でキャッチできるかと考えると、絶望的になる。夜空の星を検出できるのは、星が核融合で膨大なエネルギーを放出しているからである。太陽は 3.82×10の23乗kwで毎時毎時エネルギーを放出している。一方で人間が構築したエネルギー産出装置である原子力発電所は、大きなもので100万kwから300万kwであり、太陽と比べると正に桁違いで、それもゼロの数が17個も必要なとんでもない桁違いとなる。星は、明るさが100分の1になると5等級上がる。もし、太陽系近傍の3等星の恒星の回りに宇宙人が住む惑星があって、原子力発電所ぐらいの大出力で電波を発していたとする。もちろん、どんなに高出力であっても、電波は波長が長いので我々人類の目に光って見えるものではない。しかしながら、この電波を単にエネルギー比率で明るさに換算すると、大出力の電波は45等星ぐらいの明るさ(暗さ)になる。そしてこれは、検出不可能を意味する。
 今日の私の考察では、「宇宙には宇宙人は沢山いるが、彼らと会うことも、双方向で通信することもできないし、片方向で彼らの存在を検知することすらできない」となった。

P.S.
 これは単なる偶然か? このブログを書いた翌日、中国の科学者たちが今週、地球外に文明があるとの兆しを発見した可能性があるとのニュースが、日本のWebニュースに掲載された。これは国営メディア「科学技術日報」が報じたものだが、すでに記事執筆時点で、サイトから削除されているとのこと。
 この記事は中国SNSアプリ「Weixin(微信)」に転載され、原文が残されている。それによると、巨大電波望遠鏡「FAST(スカイアイ)」が、地球外生命体がいると示す可能性ある電波を拾ったとのこと。それは、以前にとらえた狭帯域電磁放射線とは異なるものだとも付け加えられている。
 私の考察からすれば、そんな微弱な電波は、ここだと決め打ちして天空の一点にアンテナを向けても拾えそうもないものだが、もし、これが本当だとしたら、その電波でどんなシグナルがキャッチできたのか非常に気になる。