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田舎の年金暮らしのたわごと

火星に生命は存在したか?

 2月19日NASAの火星探査車Perseveranceが無事着陸したというニュースが流れた。この探査車のミッションは火星に生物がいた痕跡を探すことらしい。実際、Perseveranceが着陸した地点は、約35億年前に川が流れ込んで水をたたえていたと考えられ、微生物に適した環境が存在した可能性が高いと考えられている。
 私が小学生だった頃は、ケネディアポロ計画をぶち上げた頃であり、宇宙プロジェクトの中心は月であって、火星が話題になることはほとんど無かった。それが今や火星に探査車が降り、生物がいた痕跡を探す時代になった。
 火星探査機キュリオシティが火星に着陸したのは、2012年8月6日である。その日以来キュリオシティは、火星の様々な映像を送ってきている。映像の多くには“赤い惑星”というイメージ通り、岩が多く、乾燥し、砂にまみれ、地球の砂漠とそう変わりない火星表面の様子が写し出されている。2012年9月、キュリオシティはシャープ山のふもとの岩が露出した場所で、角が丸くなった砂利のようなものを見つけた。この形状は、水が存在する場所で岩が形成されたことを示している。
 昨年12月のはやぶさ2でも話題になったが、小惑星には水が存在し、小惑星同士の衝突で誕生した火星にも以前 水が存在したことは、今では当然のことと考えられている。そして火星の地下には、今でも氷の形で水が存在するし、南極の氷の下には液体の水の池が広がっていると考える科学者もいる。
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 上図は東工大と名古屋大の「火星の水が失われた歴史を解明」と題する共同研究論文からの抜粋であるが、火星隕石の化学分析結果と理論計算により、「火星の初期水量の50%以上が誕生後4億年で宇宙空間へ流出した」と述べている。また同時に、「現在発見されている量を上回る大量の氷が火星の地下に存在する可能性」を示唆している。
 惑星は誕生時、小惑星衝突のエネルギーで火の玉状態だったが、火星は地球より早く冷めて、地球より早くに生命誕生可能な環境になっていた。よって、もし火星に生命の痕跡が見つかれば、いよいよこれは、「環境さえ整えば宇宙のどこでも生命が誕生する可能性がある」ということになる。そして、最初に火星で誕生した生命が隕石に乗って地球に運ばれ、地球生命誕生の種になったという可能性さえ浮上する。探査結果が待ち遠しい。