免疫と抗体と花粉症

 2月も残すところあと4,5日となり、花粉症に悩まされる時期となってきた。花粉症は体を守る免疫系の異常反応から生じると言われている。昨年来、新型コロナウイルス感染症の話題として「免疫」や「抗体」については何度も調べて来てはいたが、新型コロナウイルス感染症の防波堤となる免疫や抗体と、花粉症を引き起こす免疫や抗体が同じものか気になったので調べてみた。
<IgE抗体 と IgG、IgM抗体 >
 12/20のブログで、新型コロナウイルスに対する抗体が IgG抗体 と IgM抗体 であることを説明した。一方で花粉症の主役となるのはIgE抗体と呼ばれるものである。これらの抗体は、骨髄にある造血細胞から分化したB細胞が更に分化した形質細胞から産生される。これらの抗体は、単一抗原を特異的に認識する。f:id:TatsuyaYokohori:20210224141518p:plain
 上図は、IgE抗体が抗原(花粉)に対しどう働き、花粉症がどのように発症するかを示した図である。花粉などのアレルゲン(抗原)が口、鼻、目などから体内に入ると、その抗原を特異的に認識するIgE抗体が作られ、マスト細胞にくっつく。その抗原が再度体内へ入りマスト細胞にくっついた抗体に結合すると、マスト細胞からアレルギー症状を引き起こす化学物質が放出される。このようにして花粉症が発症する。
 一口に花粉症と言っても、人によりスギ花粉症やヒノキ花粉症、あるいは両方共と色々であるが、これはIgE抗体が抗原特異性を持つことから生まれる特徴となる。また、症状の重さもマスト細胞の多さや排出する化学物質の多さで人により変わってくることになる。
 ここまでが抗原特異性を持つ抗体群の説明であるが、抗体の中には、抗原特異性のないIgA抗体がある。IgA抗体は鼻や喉などの粘膜面で主体的に活躍しており、特定のウイルスや細菌だけに反応するのではなく、さまざまな種類の病原体に反応する(くっつく)形で敵を限定しないで幅広く体を守っている。IgA抗体濃度の高い人は風邪に罹りにくく、逆に低い人は罹りやすいことになる。