タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

ワクチンと免疫とウイルスの関係

 今日、3回目のワクチン接種をした。今回はモデルナ社製を選択したが、8時間経過した現時点で腕がちょっと痛いくらいで、ファイザー社製と同じように副反応は特にない。今日は、ワクチンと免疫とウイルスの関係をまとめてみた。
1.mRNAワクチンが抗原(ウイルスのスパイク蛋白質)を生成するまで  
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  mRNAワクチンは、ウイルスのスパイク蛋白質部分の設計図(mRNA)をPEG(ポリエチレングリコール)で包んだ形で製造される。
 ワクチンを筋肉注射すると、ワクチンは筋肉細胞に取り込まれ、PEG内のmRNAがリボソーム蛋白質製造小器官)に運ばれる
 リボソームにて、mRNA設計図に従いスパイク蛋白質が生成され、細胞外へ放出される
2.免疫の活性化とウイルスへの働き
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(1)抗体免疫
 細胞外へ放出されたスパイク蛋白質は樹状細胞に取り込まれる
 樹状細胞からヘルパーT細胞に抗原決定基が提示される
 ヘルパーT細胞はこれをB細胞へ提示する
 B細胞は活性化しPlasma cellを増殖して抗体生成を始める
 抗体は細胞外のウイルスに働き、ウイルスが細胞に感染することを阻止する
(2)細胞免疫
 細胞外へ放出されたスパイク蛋白質は樹状細胞に取り込まれる
 樹状細胞から抗原決定基が提示され、これによりキラーT細胞が活性化する
 キラーT細胞はEffector T細胞を増殖する
 Effector T細胞は感染細胞内のウイルスを細胞ごと死滅させる
3.3回目のワクチンの働き方
 ・ワクチン接種から時間が経つと、抗体量(⑦,⑧)もEffector T細胞()も減少する
 ・3回目を接種すると、B細胞()は既に活性化しているので、直ちに抗体生産を開始する
  キラーT細胞()も既に活性化しているので、直ちにEffector T細胞生産を開始する
 ・樹状細胞から提示される抗原決定基は何種類もある。異なる種類のワクチンを接種すると、より多くの種類の抗原決定基に対応した多種類の抗体が生成され、多種類のキラーT細胞が活性化するので、免疫レベルは一般に単一種接種より上がる。 

 それにしても、mRNAワクチンの「抗原は人間の細胞に作らせる」という発想が素晴らしい。抗原は外界から体内へ侵入するものだから、普通「抗原は外界で作っておく」と考えるのが一般人の考え方であろう。

 このようにまとめてみると、世の中の報道は、ワクチンの効果が抗体免疫に偏り過ぎていて、細胞免疫の強化が見過ごされているように思える。