タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

コブシとモクレン

 昨日のブログで満開の桜の話をしたが、その主役の傍らでハクモクレンも満開である。近くの町内の公園に、モクレンと似た花が咲いていたのでGoogleで画像検索したら、コブシだと分かった。f:id:TatsuyaYokohori:20210330104602p:plain
 こぶし と言えば、千昌夫が「北国の春」の中で歌っていた。
  白樺 青空 南風
  こぶし咲くあの丘 北国のあゝ北国の春
この歌が流行った頃は、それがどんな花かも分からず聞いていた。「北国の春」は1977年のリリースだから、44年の年月を経てようやく、歌われていた花のイメージが理解できたことになる。
 ネットで調べたら、コブシとモクレンの違いが分かった。
 コブシ
  ・花びらが6枚
  ・花の大きさが4—5cm
  ・花びらが開ききる
 モクレン
  ・花びら(にみえるもの)が9枚
  ・花の大きさが8—10cm
  ・花びらが開ききらない
これが分かってからウォーキングコースを再点検したら、更なるコブシの木を2、3本見つけた。
 サクラもモクレンもコブシも、葉が出る前に花を咲かせる。ということは、蕾を膨らませ花を咲かせるエネルギーは、樹木に蓄えられた樹脂であろうか? また、これらの花が咲く時期に受粉を媒介する虫たちはまだいない。代役は鳥たちであろうか、それとも自家受粉で十分なのであろうか?
 昔はそんなことを考える時間が全然無かったが、今は色々夢想する時間は十分ある。いよいよ自由人の世界に入って来た。有難いことです。



満開の桜に想うこと

 昨日富山地方気象台は、富山市の桜が満開になったと発表した。平年より13日も早い。1980年代、松田聖子は「チェリーブラッサム」の冒頭で
  何もかもめざめてく新しい私
と歌った。この頃は東京でも桜が咲くのは4月初旬であり、桜は、新年度や新学期が始まる頃に咲く「4月の花」として愛でられていた。入学式に桜の花は良く似合っていたし、花見の宴席場所の確保はその部署に配属となった新人の最初の仕事であったりした。そして「チェリーブラッサム」の歌詞も、新しい生活のスタートを連想させる言葉で綴られていた。
 ところが最近は、森山直太朗が「さくら」の中で
  さくら さくら 今、咲き誇る
  刹那に散りゆく
  運命(さだめ)と知って
  さらば友よ 旅立ちの刻(とき)
と歌っている。桜は卒業式にぴったりの花に変わった。

 話は変わるが、桜は各地方、各場所ごとに一斉に咲く。これは、植樹された桜が、皆同一の遺伝子を持つクローンだからである。つまり、同じ遺伝子を持った植物を同じ環境で育てたから、同じように成長し、同じ時期に花を咲かせるのである。動物でクローンを作るには、それなりの技術と手立てが必要だが、植物のクローンは簡単にできる。7年ほど前、「STAP細胞」という言葉が世間を騒がせたが、植物は全身がSTAP細胞でできていると言っても良い。枝を切り取り 挿し木をすれば、切り口から根が生えてくる。これはすなわち、枝の細胞にも 根の細胞と成り得る「多能性」が存在することを意味しており、正に「STAP細胞」なのである。

腕時計で血圧が測れるか?

 妻がAmazonApple Watchもどきを購入した。もどきとは、Apple Watchそのものになると高いので、バッタもんで間に合わせたことを意味する。妻が、「血圧が低めに出る。バッタもんだから、まあヨシとしよう」というので、私も、空気袋締め付けタイプの正式血圧計とバッタもんの両方で測ってみたが、やはりバッタもんが10mmHgほど低めに出た。
 この測定をしながら、『腕時計でどうやって血圧をセンシングしているのだろうか?』と不思議に思った。手首に付ける腕時計の内臓センサーで、「歩数」、「体温」、「脈拍」が測れるのは理解できる。そして「血圧」は、空気袋のベルトで腕を締め付ければ測れるように思えるのだが、腕時計のバンドはただのバンドで締め付け機能無し。どう考えても、こんなもので血圧が測れそうもないのである。
 それで、ネット上で調べたら、以下の記事が見つかった。
Appleがこの11月26日に特許商標庁へ申請した技術は空気袋による圧迫を必要としないものだ。電圧測定センサーによって、左心室からの血液の排出を検出し、Apple Watchをつけた手首に到着するまでの時間を計測することで血圧を算出するという技術だ。」
これは驚きである。『こんなこと、どのように思い付くのだろう?』と感心してしまった。
 それにしても、妻はAppleスマホを使いAmazonで購入して、私はGoogleで検索しFacebookにて米国の長男家族の様子をチェックする。正にGAFAGoogle, Apple, Facebook, Amazon)にどっぷり浸かって生活していることになる。この4社にMicrosoftを加えたGAFAMの株式時価総額東証2170社の時価総額を超えてしまった。便利になるのは有難いが、何だか空恐ろしくなる。

聖火リレースタート

 昨日、東京オリンピック聖火リレーが福島でスタートした。世界に向け、東京オリンピック実施を宣言したことになる。世論調査では、再延期 と 中止 を合わせて、今夏にオリピックを開催しない方が良い という人がおよそ2/3もいる。民主主義の原則として民意に従い政策を進めるという観点から考えれば、この聖火リレースタートは、民意に反したことを始めてしまったことになる。しかしながら、民意は未来を見通した人知の総和でもないし、間違った方向に誘導されることもあり、とにかく移ろい易い。
 私が会社務めをしていた頃、業務改革をやろうとすれば、1割の賛成者と1割の反対者と8割の様子見がいた。8割の様子見はだいたい最初は反対なので、この様子見勢力が納得できる説明をできるかどうかでプロジェクトが成功するか否かが決まった。
 折しも、新型コロナウイルス感染者がリバウンド(再拡大)し始めた。中止や再延期を求める人達にとっては、東京都や政府を責める格好の非難材料が天から降って来た形となっている。この「反対」の嵐の中、事をどう上手く進めることができるかで政治家の器量が決まる。私としては、感染者数に一喜一憂せず、きちんと病床数を確保して医療崩壊しない体制を作り、オリンピックも実施し、経済崩壊も防いで欲しいと思う次第である。
 富山県では「地元で泊まろう!キャンペーン」をやっている。過去2回のキャンペーンで、妻と私のそれぞれで合計4通応募したが全部外れた。先日3回目のキャンペーンが始まったので再度応募した。TVでは、都会の飲食店の惨状を伝えているが、地方の観光地の惨状はそれ以上かもしれない。とにかく昨年の春から、海外からも都会からも客が来ないので、GoToトラベルで一時 息を吹き返した感もあったが、今はもう限界で廃業の危機に面しているのである。島根県知事も訴えていたが、感染が抑えられている地方で経済が死んでいくのである。政府には是非とも地方を含めた俯瞰的立場で経済もきちんと支援する施策をやってもらいたい。

ジャガイモの植え付け

 富山気象台が昨日、桜の開花宣言を出した。観測史上最も早い開花となり、平年より12日、昨年より3日早いそうだ。そろそろ農作業を始める時期になってきた。我が家の狭い畑は、先週土曜日に耕し施肥は完了していたが、ジャガイモの種イモから芽が出てきたので、今朝畝を作り植え付けた。
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 最近知ったことだが、ジャガイモは酸性土壌を好むらしい。よって石灰は撒かないことにした。園芸番組を見ていると、酸度計を使いpHを測ってから、植える植物に合った土壌になるよう石灰の量を調節している。酸度計を土に差し込むだけで直ぐに酸度が測定できる様子を見て、どういう原理なのかなと思い調べてみた。
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上図のように薄膜の特殊なガラス容器にpH既知の内部液を入れ、その外部を測定対象となる溶液で満たせば、二つの溶液の間に電位差が発生する。この電位差を測ることで二つの溶液のpHの差が分かり、測定対象のpHが分かるようである。



LINEと中国問題

 LINEの個人情報が業務委託先の中国関連企業から閲覧可能になっていたとして問題になっている。私がまだ会社務めをしていた時、システム開発を中国の企業へ発注したことがあったが、システム仕様をTV会議で、日本語とシステムの両方理解する中国人技術者を介して詰める作業に大変苦労した。結局、出来上がったシステムの質も良くなかった。システム運用はシステム開発とは違い、委託元と委託先との長期間の関係となるため、運用業務委託先が中国企業になることは、当時の私の常識からすれば「有り得ないこと」となる。
 中国との関係では色々苦労した。一つ目が「電送技術開示問題」である。当時、私が勤めていた親会社から、子会社である海外現地法人に図面や部品表を電送するシステムが構築されていた。そのシステムの電送処理は、市販のセキュアなインターネット電送の仕組みを使っていた。ある日、中国共産党政府が、この暗号化技術の開示を求めてきた。販売元のシステムベンダに相談したが、答えはもちろん「No:開示できない」であった。それで中国現地法人のIT本部長に相談したところ、彼は次のように言った。「中国の問題は日本人理解できません。中国人の私が言う通りにやってください。中国への電送はFTPに変えてください」。ということで、言われるまま中国現法への電送方式を、暗号化しない一般的なFTP方式に切り替えた。そしてこの変更により、中国政府が電送データの中身を盗み見しチェックできるようになった。
 二つ目は、中国現地法人へのシステム導入である。当時中国には3つの現地法人があり、一番手として山東省にある現地法人へ部品表システム導入のため出張した。部品表データは、親部品がそれを構成する子部品の情報を、子部品がそれを構成する孫部品の情報を持つ という形で階層構造になっているのが一般的だが、中国現地法人の部品表は、階層構造ではなく、「ものが手配できれば良い」との考えでフラットな構造になっていた。仕方がないので、そのフラットな部品表をベースに初期部品表データベースを構築した。
 システム導入とオペレーション説明がなんとか終わり、最終日にFarewell Partyをやってもらった。こちら側は私と中国語が堪能な情報システム部員、現地法人側は生産管理課長と課員で総勢十数名が円卓を囲む宴会となった。宴もたけなわになり始めた頃、若手の課員が次々に私の方に来て白酒(バイチュウ)を注いできた。私も相手に注ぎ乾杯をしたら相手が代わるという感じで、これを5,6人続けたのだろうと想像する。正直言って、それ以降の記憶がない。気が付いたら、出張同行者の首に手を回してもたれかかり、宿泊ホテルへの道をよろけながら歩いていた。後で中国事情に詳しい人に聞いたら、「中国人は注がれた酒を全部飲みません。皆こっそりと床にこぼしているのです」と言われた。

新しい進化論

 昨日は孫娘の話をしたが、今日はその上の3人のお兄ちゃんの話である。その3兄弟がバスケットボール会場で写した写真がFacebookに上がっていた。3人ともユニフォームを着てすましたポーズで写っていて、「親ばか」ならぬ「爺ばか」の目には、実にかっこよく見えた。
 特に1番上はまだ10才でありながら、手足が長く、身長は160cmを超えているであろう。世代が進むにつれて身長がどんどん伸びていると感じた。私の父親の身長が162cm、私が172cm、長男が178cmで、その子たちはこの調子で行けば多分180cmを超えるであろう。遺伝子に大きな変化(突然変異)が無い中で、親から子へ子から孫へ行くに従い、身長はどんどん高くなっているのである。この理由は、一般には、「栄養状態が良くなったため」と言われている。ふと、1/16のブログ「ダーウィンの進化論は間違いか?」を思い出した。
 ダーウィンの進化論の基本である「突然変異」と「自然選択」では、首があんなに伸びたキリンの存在を上手く説明できない。馬とキリンの中間ぐらいの首長さの元始キリンの化石が一向に見つかってもいない。キリン一つをとっても、ダーウィンの進化論は既に破綻しているのである。一方で、突然変異を当てにせず、たった3世代で身長がこんなに伸びた現実がある。改めてダーウィンの進化論は間違いであると確信した。
 それでは、進化を引き起こし推進させるものは何であろうか? 今回の「栄養状態が良くなったので身長が高くなった」を正しい仮説と捉えれば、この仮説は「環境変化がトリガーとなって形態が変化した」と普遍化した表現に言い替えることができる。そして「変化した環境は、その環境下にいる全ての個体に影響を与え、この集団全体がそろって進化した」と定式化できる。しかしこの説では、親より子の、子より孫の身長がより高くなっていることを説明できない。やはり、親から子へ引き渡される何等かのものが必要なのである。
 ラマルクが唱えた「用不用説」は、「獲得形質(個体が後天的に身につけた形質)が子孫に遺伝する」としたが、獲得形質が遺伝しないことは多分真実であろう。ただ、獲得形質自身がダイレクトに子孫へ遺伝するのではなく、間接的でも良いから子孫へ伝搬すれば、この「用不用説」は、修正された新説として生まれ変わることができる。例えば、次のように考えることができる。
「特異な形質を獲得に至った環境から身体への影響力が、何等かの形で生殖細胞へ伝達され、そこで生産される精子卵子のDNAに影響を与える。進化はこのような環境力を推進力として、個体が環境に適応できる方向に進む」。
この説は説得力のある新しい進化論の説となれるような気がする。