タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

政治不信を引き起こした張本人

 今年は自民裏金問題で政界が揺れている。昨日は離党勧告を受けた塩谷氏が勧告に異議を唱えて再審査請求の検討を表明した。この塩谷議員は、次期総裁候補にも成り得る安倍派5人衆と比べると、正直言って格が違う小物議員である。実際塩谷氏は前回2021年衆院選静岡8区立憲民主党源馬謙太郎氏(51)に大差で敗れ、比例復活で何とか議席を守った。この人が安倍派座長になったことで、ここまで政治不信を増幅させてしまった。
 国会の政倫審では、5人衆が、「キックバックを協議する会合では結論が出なかった」と言っているのに対し、塩谷氏は「なんとなくそういう(キックバックを続ける)雰囲気になった」と答弁した。この点をメディアは「意見の食い違い」と報道したが、ちっとも食い違ってない。真相は、結論は出なかったのであり、塩谷氏がこの問題を有耶無耶にして放置したのであろう。
 ここで、世間で言っているキックバックが何故止められなかったか考えてみる。安倍元首相は派閥パーティーを翌月に控えた2022年4月、還流の取りやめを提案したという。メディアは、キックバック=裏金として、まるで悪いことのように報道するが、キックバック政治資金収支報告書に記載すれば立派な「表金」であり、これ(収支報告書への記載)さえやっておけば、違法行為は無かったと言える。私は、安倍さんがキックバックをやめよと言ったのではなく、「キックバックも含めてちゃんと収支報告書に記載しないといけない」と指示したのだと思っている。そしてこの指示を伝聞情報として聞いた塩谷座長が、「キックバックが必要だと言う人もいる」という的外れなことを言いながら、安倍さんの指示は実行できないと考えこんでしまったのであろう。「キックバックしても良い、ちゃんと収支報告書に記載すれば良い」、こんなシンプルな指示を、派内を取りまとめて実行できなかったのだから、安倍派の座長として責任を取って政治家を辞めるのが当然である。
 この問題をここまでの大きな騒動にした一番の責任は岸田首相にある。今回の問題は、第一義的には「政治資金規正法違反」の問題であり、この問題が発覚した時点で岸田首相は「法律違反を犯した者は党として厳しく処分する」と言うだけで良かった。それなのに、岸田首相はこの問題を安倍派潰しに使えると思ってしまった。そして突然、岸田派を解散させてしまった。まるで派閥が悪いかの印象を国民に与えたのである。岸田さんもメディアも国民も問題が何かを分かっていない。問題は大きく二つに分類できる。
 1.政治資金規正法違反の問題
  → 党として違反者の処分を決める
 2.法律自身が不備である問題
  → 法律の改正点を詰める
 このように整理し対処すべきだったのに、岸田首相はこの問題を、国民の政治不信を増幅する方向へ持って行ってしまった。野党も野党である。問題解決に貢献しないことばかり言い張り、自民党のイメージダウンこそが我が道と策略を巡らした。東京地検特捜部が地方からの応援も含めて大々的にやった捜査で、大した成果(大物政治家の逮捕)も出なかったのだから、議員であるあなた方素人の集まりが、新しい証拠も無く証言のみで国会追及したって、真相が暴かれるはずがないのである。岸田首相は、こんな野党評論家軍団に恰好の突っ込みどころを与えてしまった。1月2月3月と不毛な党利党略の政争が続いた。岸田さん、あなたも責任を取る必要がある。