タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

裏金とへそくり

 昨日の日テレNEWSで「特捜部 安倍派の幹部7人を不起訴へ」と報道された。特捜部は、収支報告書への不記載が組織的に行われていたかを捜査していたが、安倍派の会計責任者から「会長が不在になった後は座長や事務総長に収支報告書への不記載について相談していない」との供述しか得られず、幹部と会計責任者との共謀を認めるのは困難と判断したようである。法治国家として、しかるべき形に落ち着いた。
 一般庶民は、「検察は正義の味方」と思っているが、村木事件(検察が村木厚子さんを起訴するため、罪をでっち上げた事件)を思い起こせば、必ずしもそうではないことが分かる。検察も手柄を立てたいため、何とか起訴に持ち込もうと必死になる。人間必死になると、起訴に持ち込むことが目的となり、検察の本来の目的を忘れてしまうのである。
 今回の特捜部の操作は、こういう数々の冤罪事件の苦い経験が効いて検察にも自制が働き、法律に則った形に収まるみたいだが、一般庶民には消化不良感が残る。ただこれは、マスコミが「幹部クラスの起訴に至るかも?」と大々的に報道し、一般庶民の「私たちはインボイス制度も受け入れて、ちゃんと会計管理をして税金を納めているのに、なんで政治家だけが・・・」という憤りの心を煽ったからである。我々としては、「検察はきちんと捜査をして、法と判例に照らして起訴できる範囲のみを起訴した」と解釈すれば良い。消化不良感はマスコミのせいなのである。
 ここで一度深呼吸をして「なぜ裏金は悪なのか?」を考えてみる。そして同時に「へそくりは悪か?」とも考えてみる。裏金もへそくりも根源的な悪ではない。裏金は現時点で「政治資金規正法の収支報告書への記載義務」に違反しているから「悪」とのレッテルが貼られている。本当に悪いのは贈収賄であり、金の力で政治・政策が歪められた場合であることを忘れてはならない。