タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

川勝知事騒動

 一昨日の静岡県川勝県知事の不適切発言から端を発した騒動が、昨日の釈明会見の失敗から返って火に油を注ぐ結果となり、収拾が付かなくなった末の突然の辞意表明となって、それが尾を引いて今日の辞意説明会見となった。
 発端は、県庁新人職員への訓示の中での、職業差別かとも受け取られる以下の発言であった。
「県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンク 政策研究機関です。毎日毎日野菜を売ったり あるいは牛の世話をしたり、あるいは物を作ったりとかと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですからそれを磨く必要がありますね。」
比較対象として、わざわざ農業生産者等を取り上げる必要もないところを、この人の「一方を落としてもう一方を持ち上げる」といういつもの話法で、県民から不要な反感を買ってしまった。
 次の日の釈明会見では、更にその反感を増幅するに至った。最初の一声が「何か問題発言があったかのごとき状態になっており本当に驚いている」である。自分の発言の問題箇所が分からないかのような言い方に、怒りを通り越して唖然とする。「職業差別ではない」と自分の発言に問題はないとの姿勢で、謝罪もなければ発言の撤回もしなかった。この騒動に対しては、「一部が切り取られたような」とメディアの報道の仕方に問題があると言い張った。こんな記者対知事のやり取りが12、3分続いて、最後に記者からの「勘違いを産まないような対策については?」との質問に対し、しばらく沈黙したあと、「どうしたら良いかと考えておりまして、まあ準備もありますので、6月の議会をもって、職を辞そうと思う」と突然の辞意を表明した。
 この川勝知事は、元菅首相に対し「田舎から出てきて、単位が欲しいだけで学問してないから教養の無さが露見したこの田舎もんめ!」と馬鹿にした人である。どうも、自分が早稲田大学の教授であったことを鼻にかけ、学歴が低い人や頭脳労働をしていない人を上から目線で見下す傾向がある。そして、不適切な発言をしてしまった時は謝れば良いのに、謝罪も撤回もなかなかしようとしない。
 その川勝知事が、今日の会見の冒頭で謝罪した。『昨日これをやっておけば良かったのに』と思った。ただ、その後が酷かった。リニア新幹線建設を止めたことが、まるで自分の業績のように言い始めたところで、私も頭にきてTVのスィッチを切った。
 さて、川勝知事は後継として、立民の渡辺周元防衛副大臣に打診しているとのこと。悪夢の再現である。静岡県民は、まさか「悪夢の民主党政権」を忘れてはいないでしょうね。鳩山政権で日米の信頼関係をズタズタに引き裂き、菅政権では中国漁船衝突問題で中国に屈服し、東日本大震災では福島原発事故の混乱に輪をかけ、復興増税を創設し、財務省に丸め込まれた野田政権では「社会保障と税の一体改革(消費増税)」と引き換えに衆議院を解散してしまった。このため続く安倍政権には、消費増税という足かせが付いてしまった。最近の調査で、次の衆院選で「政権交代のぞむ」と答えた人が42%に上り、「自公政権の継続」を上回る結果になったそうである。あー、悪夢がよみがえる。