タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

日本株は買いか?

 日経平均株価終値で3万6000円台に乗せた。1月12日のブログで3万5000円台に乗せたと書いたばかりだが、それから10日余りで更に1000円も上げたことになる。(今日は午前の前引では36,920円と3万7000円台を伺う勢いであったが、午後には反落して大引では29円安で終わった)。
 株価は景気の先行指標と言われており、株高は明るい日本の未来を示しているので喜んでいいのだろう。特に今年からNISAを始めた庶民にとっては、この日本株の上げ基調は幸先良いスタートになったはずである。
 さて、株高の要因であるが、専門家の意見をまとめると以下となる。
1.企業業績が良い
 ここ数年の円安で日本の優良輸出企業は儲ける力が増している。
 最近の円安で輸出関連企業の今期の業績見通しが一層好転した。
2.海外資金が流入
 1月17日、日本株に連動する上場投資信託ETF)に、中国の投資家が殺到し売買停止に至った。中国株は低調であり、中国から日本の株式市場に資金が流入している。
3.新NISAへの期待
 日本人が保有する膨大な預金が株式市場に流れ始めた。

 さて今日は、日銀の金融政策決定会合があり、大規模な金融緩和策を維持することが決定された。これは、金融政策にここ当分変化がないことを意味する。植田総裁は、「賃金と物価の好循環 強まっていくか確認」と言っているので、春闘の趨勢が定まるまでは金利を上げることはないと思われる。となると、この株の上昇基調はこのまま春過ぎまで続くような気がする。
  
 上図は先日示したこの35年余りの日経平均株価の推移であるが、これを見ると、数年毎の小さい上がり下がりの波以外に、もっと長周期の大きな波があることが分かる。株価は2009年以来一貫して上昇基調を維持しているのである。
 歴史を紐解けば、1989年11月にはベルリンの壁が崩壊し、その後ソ連の崩壊を経て冷戦が終了した。そんな中で日経平均株価がピーク値を付け、その後土地バブルも弾けて日本経済は奈落の底へと落ちていった。冷戦が終了して共産主義への恐怖感が薄れ、それに呼応するかのように、賃金が日本の1/20であった中国が、ライバルとなって世界の工場へと躍進し始めたのである。
 現在の株価は1989年のピーク値に迫る勢いであるが、状況は当時とは全く異なり、むしろ真逆の様相を呈している。今は米中の新冷戦が始まり、中国排除の動きとなっている。中国に影響を受けないものづくりを目指してサプライチェーンの再構築が始まった。産業の米と言われる半導体の製造工場が、熊本県や北海道千歳で建設中である。この周辺地域では人口が増え地価が上がり、経済は活況を呈している。
 これらの情勢を総合すると、日本経済は米中新冷戦の恩恵を受け、今後はものづくりが復活し、株価も向こう10年ほどの長いスパンで上昇基調を維持すると考える。日本株は「買い」だと思った次第である。

P.S. 日本の新設半導体工場があちこちで稼働を始める。