タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

記憶に残る夏

 暑い日が続いている。昨日はフェーン現象も加わって北陸地方で気温が上がり、富山市ではこの夏最高の38.2℃を記録した。沖縄の西海上ノロノロしている台風6号から送られて来る暑い風が、ここしばらくは猛烈な暑さをもたらすに違いない。先日のニュースで、今年の7月の気温が、データがある1898年以降の125年間で一番暑い夏だったと言っていた。これまで最も暑かった1978年の記録を45年ぶりに更新したそうだ。
 1978年の夏は確かに暑かった。私はこの年に社会人となり、7月からは川崎工場にて行われた新入社員の工場実習に参加した。この年は7月に入って直ぐに梅雨明けとなり、以降は連日真夏の暑さが続いた。こんな暑さの中、当時の工場の組み立てラインには冷房設備は無く、仕事を終え宿舎に帰っても、独身寮の3畳一間には、当然のようにクーラーは無かった。仕方なく、夜は窓を全開にして一晩中扇風機をつけっ放しにして寝た。
 今から思えば、こんな環境でよく熱中症にもならず、一ヶ月半もの生活を全うできたものである。お陰で記憶に残る夏となった。今年の夏は記録に残る夏になることは間違いない。問題は、私の記憶に残るかである。社会人になるまでは、頭の中で昭和何年が〇〇学校何年生という形で紐づけができていたので、何年に何があったという記憶が残り易かったが、最近はその「何年生」という目盛りが無くなり、また、何年にはこんなプロジェクトをしたという仕事上の年代目盛りもなくなってしまった。よって、今年の夏は、「あの年の夏は暑かった」という記憶の形では残るだろうが、それが2023年の夏と残るかどうかは怪しいものである。