タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

県議会議員の仕事

 今日は午前中、町内同好会の皆さんとパークゴルフをして、終了後県議会議員選挙に行った。同好会メンバとの雑談の中で、6、7割の皆さんが、選挙はいつも期日前投票で済ませているということを知った。投票所は近くの中学校だが、私と妻が行ったのがちょうどお昼どきであったためか、投票に来ていたのが我々夫婦二人だけであった。
 さて、いつも思うことだが、県議会議員の役目とは何であろうか? 県政のチェックと言われることもあるが、それでは県政の役目とは何であろうか?

 江戸から明治へと時代が変わり、それまでの藩が県へと変更になった。

 上図は廃藩置県が行われた頃の地図であり、当時富山県は新川県と呼ばれていて、能登半島とその付け根辺り(現在の富山県氷見市)までが七尾県と呼ばれていたことが分かる。石川県の加賀地方は金沢県と呼ばれていた。

 新川県はその後1876年には金沢県、七尾県と合併して石川県となり、1883年には石川県から分県して富山県が成立する。分県した理由は、道路の改修を主に考える石川県側と、治水に重点を置く富山側とで、土木費の分配をめぐる利害の対立があったからである。このように県の成り立ちの歴史を紐解くことで、県政の役割が見えてくる。予算をどの分野に重点的に配分するかが県政の最も大きな役割であり、それをチェックすることが県会議員の最大の仕事になるのである。
 ところで、県の仕事として運営維持されていると思われるものは、県立高校、県立病院、県道である。一時期、大阪市大阪府の二重行政の無駄が問題になったが、ここ富山においては、富山市富山県とでそんな無駄なことはやっていないように見える。3年間のコロナ禍の中では、県立中央病院や富山市立病院が感染症指定病院として多くの患者を受け入れたが、こと医療に関しては、二重行政の無駄は存在せず、逆に「公立病院」が圧倒的に少ないことが露呈した。
 ところで良い政治とは何であろうか? 地方行政においては、最も少ないコスト(税金)で多くの有益な行政サービスを提供することであると思う。行政サービスとしては、安全確保(警察、消防)、健康確保(医療)、教育(小中高校)、社会基盤(道路、公共施設)等が思い当たるが、難しい点は、行政サービスが時代とともに変化することである。不要になるサービスもあれば、新たに必要になるサービスもあり、IT化等でサービスの形が変化するものもある。従って首長や議員の皆さんには、人の話を聞く能力も大事だが、それをまとめて新しい行政サービスを考える構想力が必要となる。地方では、高齢化と過疎化のダブルパンチで地域の存続が危ぶまれているところが多々ある。特定地域への利益誘導と地域間の利害調整だけで多選を果たしてきたご歴々には、この辺で退場頂かないと地方のジリ貧傾向に歯止めが掛からなくなる。かと言って、若ければ良いとか女性であれば良いというものでもない。新しい行政の未来像を描ける人が必要だと思う次第である。