タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

植物は長寿



 写真は、拙宅の玄関先のシンビジウムと縁側のクンシランである。双方とも、亡くなった義母が大切にしていたものを受け継いで、今は妻が世話をしている。義母が亡くなってもう8年近くになるので、この蘭という植物は、もう随分長い間生きていることになる。
 ネットで調べたら、胡蝶蘭の寿命に関して、「基本的に寿命はなく、環境が良く根腐れや病気にならなければ50年以上生き続ける」と書いてあった。家庭菜園では、春に芽を出す新しい命が秋には枯れるので、樹木を除く植物の寿命は基本1年という感じがしていたが勘違いであった。よくよく考えれば、我が家の庭のドクダミ福寿草彼岸花シャクヤクも、皆 冬には葉を落として茎は枯れてしまうが、株は雪の下でしっかりと生きているのである。
 植物の中でも一年草類は、戦略的に寿命を短くして変異のスピードを上げ、環境変化に対応できるよう進化したのだろう。一方で多年草類は、毎年花を咲かせて子孫を増やすのと同時に、自分自身も土中で冬を越し何年も生き続ける両面作戦で進化してきたのであろう。この春に植えたジャガイモも、昨年収穫して小さいから食べずに種イモとしたものであるから、地下茎として屋内で冬を越した多年草であると言っても良い。実際、ジャガイモと同じ科のナスは多年草であり、暖かい地方では冬越しできる植物である。
 動物に比べて植物の寿命は長い。きっと単位体積当たりのエネルギー消費量が全然違うからであろう。エネルギー消費が多いとミトコンドリアでせっせとエネルギー(ATP)が作られるが、この過程で活性酸素が作られ、これが体にダメージを与え細胞をガン化するので、どうしても動物の方が寿命が短くなるのであろう。ゆっくりと長く生きるか、速く短く生きるかである。