タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

少子化と結婚制度の関係

 今日は多くの会社で入社式が行われたそうだが、長女家でも孫が入園式でハレの舞台を経験したようだ。一歳保育児に入園式があるというのも初めて知ったことだが、ひと時もじっとしていない幼児を集めての式は、きっと大変であったに違いない。長女が言うには、定員10人の子供たちの中で一番暴れ回っていて疲れてしまったとのこと。まあ、男の子は元気が良いのが一番と思えば良い。
 長女は1年9ヶ月の産休を経て今月中旬から会社勤めを再開する。社会では、まだまだ女性が働き易い環境になっていないと言われているが、私の妻が育児をしていた時代に比べると様代わりである。だいたい、私の家事参加度に比べて、長女の旦那の参加度合いは各段に高い。それに加えて、会社側の産休や職場復帰に対する理解が相当上がっている。ただ、そんな風にして子供を産み育てる環境が改善しているにも関わらず、昨年の出生数は80万人を割ってしまった。こんな風に考えていると、岸田政権が今までの延長線上でいくら少子化対策を打ち出そうが、状況の画期的な好転は望めそうもないような気がする。
 何か抜本的な変革が必要な気がする。思い当たるところで言えば結婚制度である。個人の多様な生き方を推奨しながら、個人の自由な生き方を縛る方向で残る結婚制度が時代に合わないものに思えるのである。日本の終身雇用が労働の流動性を縛っているのと同じように、日本の結婚制度が自由恋愛を縛り、ひいては少子化を促進しているようにも見える。欧米主要国の合計特殊出生率(2020年)は、フランス1.82、スウェーデン1.66、アメリカ1.64、イギリス1.58と日本の1.30より高く、これらの国での婚外子の割合は、フランス61.0%、スウェーデン54.5%、イギリス48.2%、アメリカ40.0%と日本の2.4%に対して遥かに高い。この違いを見ていると、まるで日本が結婚制度の束縛の中で少子化に陥っているように思えてならない。