タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

日の出が一番遅い日

 今日は1年で日の出が最も遅くなる日である。冬至から2週間ばかり過ぎ、日の入りが遅くなってきたことは実感できていたが、一方で日の出の方は、冬至を過ぎても(早くならず)遅くなり続けていたわけである。

 上表は富山市の冬期における日の出、南中、日の入り時刻を示す。これを見ると冬至は、日の出が一番遅い日でもなければ、日の入りが一番早い日でもないことが分かる。以下の図は上表をグラフ化したものであり、昼間の時間帯が黄色の帯で示されている。帯の長さが一番短いのは12月22日の冬至であるが、帯の中心位置(南中)がこの期間右へ移動するため、冬至以前に日の入り最早日があり、冬至以降に日の出最遅日があることになる。

 それでは、何故南中時刻が変動するのであろうか?

 上図は日本標準時における南中時刻の変動を示している。この図の紫線が南中時刻を示しているが、11月から2月上旬にかけて南中時刻が30分ほど遅れる動きになっていることが分かる。このグラフは、南中時刻の変動が2つの要因により引き起こされていることを示している。一つは自転軸の傾き(青線)、あと一つは地球が楕円運動をするため(赤線)であり、南中時刻はこの2つの要因からの影響の合算で決まる。
 これと同じように夏至付近でも似た現象が起こる。すなわち、夏至の日以前に日の出最早日があり、夏至の日以降で日の入り最遅日が現れる。しかしながらグラフを見て分かるように、南中時刻が遅くなるスピード(グラフの傾き)は夏至付近より冬至付近の方が大きい。また夏至付近は梅雨の最中で日の出や日の入りを目にすることも少ない。このような理由から、夏に、日の出最早日と日の入り最遅日と夏至の日の違いを体感することはないと言って良い。

P.S.
 地球が楕円運動すると何故南中時刻が変動するか? この理由を簡単に説明すると以下のようになる。
 地球の公転軌道は楕円であって冬至付近に近日点があり、この付近で公転スピードが速くなる。一日を刻む自転スピードが一定でありながら、一年を刻む公転スピードが冬至付近では速くなり、夏至付近では遅くなる。南中時刻がいつも正午となる日時計のような暦を作ろうとすれば、公転軌道上に刻んだ南中時刻位置の刻み間隔(一日の長さ)は、冬至付近が短め、夏至付近では長めにしなければならない。もちろんこんな暦は有り得ず、一日の長さが一定になるように公転軌道上の刻み位置が平均化された暦となるので、この平均化された刻み位置を基準とした時計で測れば、南中時刻は変動することになる。(簡単な説明がこんな長文になってしまった)