タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

バタフライ効果

 今日6日は二十四節季の小寒であるが、ここ富山においては気温もそれほど下がらず、ここ最近曇り時々雨か雪の天気が続いている。今年の正月は、平地では雪は降れども積もらず、山沿いのスキー場には営業可能なくらいに積もりと、程よく雪が降る望ましい天候になっている。
 今日のニュースで「来週後半で気温が上がり、14日(土)には富山市で最高気温が17℃まで上がる予報」だと言っていた。気象庁が出した3ヶ月予報では、ラニーニャ現象の今冬の北陸地方は気温は低めで降水量は多めだったが、この予報は12月まではほぼ当たりで1月からは大外れとなっている。
 気象予報の世界には、バタフライ効果という言葉がある。バタフライ効果とは、力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象を指し、『風が吹けば桶屋が儲かる』のようなことが現に有り得ることを意味する言葉である。バタフライという表現は、気象学者エドワード・ローレンツ氏が1972年に行った講演『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』に由来している。
 1961年にエドワード・ローレンツが計算機上で数値予報プログラムを実行していた時のこと、最初ローレンツはある入力値を「0.506127」とした上で天気予測プログラムを実行し、予想される天気のパターンを得た。ローレンツは、もう一度同じ計算をさせるため、入力値を「0.506」として再計算してみた。そうしたら、計算結果である「予測される天気のパターン」は一回目の計算とまったく異なったものになっていた。
 何と、予報プログラムへの入力値が有効数字6桁の場合と3桁に四捨五入した場合とで、計算結果が全く異なっていたのである。これは、長期予報がシミュレーションにより予報できないことを示している。であるから、長期予報は統計データによる傾向予測となり、バラツキの大きいデータを均して得られる確度の低い予報となるのである。