タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

周期表から考える地球外生命

 昨日、元素の起源を調べていたら、面白い周期表を見つけた。

 上記周期表は、各元素が宇宙で起きるどんな事象で生まれたかを示している。この新しい研究分野では、銀河系や系外銀河における元素の存在比を調べることにより、超新星の物理や元素の起源、銀河進化を研究し、スーパーコンピューターを用いて観測データの再現をすることで宇宙の化学力学進化の予測を行っているとのことである。

 上記周期表は、図書館から借りてきた「星屑から生まれた世界」(ベンジャミン・マクファーランド著)の中の図を書き写したものであり、生物がどんな元素をどんな用途に使っているかを示している。
 巻頭の周期表を書き写したばかりで、本の中身はこれから読み進めるのだが、私は2つの周期表を見比べながら、『地球外生命がどんな元素を用いて生命活動をする可能性があるか、地球生命との間に違いが出る可能性はあるか? その辺りを探求したい』と思った。

P.S.
 「星屑から生まれた世界」を読み始めて、いきなり リン(P)と ヒ素(As)の違いの話に引き込まれてしまった。PとAsは周期表上15族の同族元素であり、以下に示すリン酸とヒ酸のように類似構造の化合物を作る。
  
ところが、構造は似ていても、リン酸は生物が使う重要な物質であるのに対し、ヒ酸は猛毒であり生物は忌避する。この違いが生まれる理由について著者は、リン酸におけるPとOの結合の強さがちょうど良く、一方でヒ酸におけるAsとOの結合が弱く、直ぐに切れてしまい役に立たないからだと述べている。
 以下の図は、生物のエネルギー代謝で中心的役割を担うATPとADPの構造を示す。生物はリン酸結合を切ったり繋いだりすることで、生命活動を行っている。

以下の図は、DNAの構造を示す。二重螺旋の骨格は、リン酸とデオキシリボースが連続して繋がった形となっている。

 生命の条件を「自己複製」と「代謝」と考えるなら、自己複製の中心的な役割を担うDNAと、代謝の中心的な役割を担うATPの双方に絡む リン(P)が地球外生命にとっても必須元素に思えてきた。もちろん、このように思う背景には、『地球外生命が、たとえ姿・形が大きく違っていようが、内部の代謝と自己複製の仕組みは、地球生命と似たようなものになるのではないか』との思いがある。