タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宇宙の中で知的生命体はほとんどいないのかも知れない

 先日、火星のコアが全て液体状であることが判明したとする論文がネットに載っていた。

 上図は資料内にあった図であり、地球と火星の内部構造が比較されている。地球の核は内核(固体)と外核(液体)の2層に分かれているが、火星の核は層分離が無く全て液体状のようである。また、この図を見ると火星には下部マントルもないことが分かる。
 今回の発見は、火星探査機インサイトが捉えた火山性地震地震波解析から明らかとなった。火星には火山活動があり、内部には熱く溶けたコア(主成分は鉄やニッケル)があり、その回りには熱く溶けたマントルが対流しているのだろう。その意味では、まだ生きている惑星ではあるが、地球のようにプレートテクトニクスによる大陸移動での地震が生じない活動停止間近の惑星であるとも言える。火星には地球のような磁気バリアが無いが、その理由が、火星のコアに軽元素の含有が多いからかも知れない。磁気バリアが無いので、火星地表面は太陽風(α放射線)に晒された状態になっており、生物が住めない環境となっている。
 このように考えると、地球のような生物が住める環境の惑星は、広い宇宙の中でも少数派になるのかも知れない。水があるだけではダメで、内部に鉄やニッケル等を主成分とするコアが存在し、このコアが作る強力な磁気バリアにて惑星表面が守られていなければならないからだ。

 上表は地殻と地球と宇宙の元素構成比率を示す。宇宙においては、鉄やニッケルはほとんど存在しない微量元素となる。そして地球は、こういう微量元素が集結してできた惑星となる。鉄やニッケル等の重い元素は、太陽より遥かに大きな恒星が死にぎわに超新星爆発を起こした際作り出されるものであり、つまり、これらの微量元素は星が死んだ後の燃えかすである。このように考えると、太陽系がたまたま銀河系の恒星墓場で生まれたから、地球には微量元素が沢山集まり、それが幸いして生物が誕生し人類へと進化できたのかも知れない。恒星墓場はどこにでもあるものではないだろう。そうなると、ひょっとして宇宙に知的生命体がいる確率はもっと低いのかも知れない。何故ならば、生物が生まれるだけでも、惑星に水や磁気バリアやプレートテクトニクスが必要だし、知的生命に進化するのに40億年も掛かったのだから、そんな環境がそれだけ長い間維持されなければならず、知的生命存在確率はますます下がることになるからだ。