タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

442年ぶりの天体ショーを見て考えたこと

 昨晩は皆既月食にプラスして、天王星が月の影に隠れる天体ショーだった。ただ、皆既月食となり、赤銅色に輝く月を見て『真っ黒にならないんだ』と不思議に思った。最近はネットを検索すると疑問は直ぐに解消する。

 上図は国立天文台のホームページにあった解説図であるが、皆既月食の時は、地球の大気により太陽光の中の赤色光が屈折して影の内側に入り込むので、月が赤黒く染まる。

 上図は、昨年5月26日のブログで使った図であるが、月の公転面と地球の公転面が 5.14度傾いているため、月食が滅多に起こらない現象になることを示している。この図に倣って、太陽と地球と天王星の位置関係を方眼紙に書いてみたら下図のようになった。太陽から天王星までの距離が19.2天文単位もあるので、惑星のスケールを40倍で書いても、地球も天王星も点にしか見えない。

 この図から考えて、天王星と地球との公転面の角度は、ほとんどゼロだと思い調べたら、「天王星の軌道傾斜角:0.7733度」とWikipediaに書いてあった。0.7733度とは実に小さな角度に思えるが、この角度の正弦値(SIN)に天王星までの距離を掛けて、天王星が地球の公転面から最も離れる時の距離を計算したら、地球がおよそ3000個分になった。天王星の公転周期は84.25年と長いので、上から(北極星から)見れば、太陽と地球と天王星は1年とちょっとの周期で一直線上に並ぶが、横から見た時も一直線になる次回の天王星食は公転周期のほぼ半分の43年後であり、その時は皆既月食にはならないのでニュースにならず、一部の天文ファンが望遠鏡で静かに鑑賞することになる。