タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

太陽系誕生のきっかけとなった事件

 1月21日のブログでは、我々が住む天の川銀河系への矮小銀河の衝突が、太陽系誕生のきっかけとなった可能性があると書いた。以下の図は、スペインのカナリア天体物理研究所などの欧州研究チームが宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データに基づき作成したものであるが、Saggitarius(いて座)矮小銀河が、57億年前、19億年前、10億年前の3回、天の川銀河と衝突したことが示されている。

 昨日、図書館から借りて来た丸山重徳著の「地球と生命の誕生と進化」を読んでいたら、第1章の「地球の誕生」の中で、衝撃的なことが書いてあった。以下にその本に書いてある内容を書き留める。

1.銀河同士の衝突により太陽系が生まれた。
 45億6700万年前、天の川銀河が近接の矮小銀河と衝突し「スターバースト」(爆発的に星が形成される現象)が起きた。銀河同士の衝突によって、数万年から数百万年の間に、太陽の質量の数十万倍から数億倍に相当する星が大量に形成された。その流れの中で我々の太陽系も形づくられていくことになった。
2.原始星ジェットによる物質大循環と物質分化
 
 原始太陽の北極と南極の双方向に「原始星ジェット」(原始星から放出される高速のプラズマ流)が放出され、原始太陽系円盤の内部では「双極流」(誕生したばかりの若い星から放出される分子ガスの高速の流れ)による物質大循環が起きた。物質大循環によって、太陽系内部では物質分化が進んだ。スノーラインの内側では、太陽の高温にさらされて水分が蒸発しドライな物質だけが残った。一方スノーラインの外側では、太陽風に吹き飛ばされた水分などの揮発性成分は、氷や有機物などの、より低温で安定な物質と共に残った。

3.岩石惑星とガス惑星の形成
 やがて、原始太陽の双極流が停止すると原始太陽系全体の物質大循環も停止した。その時、粒子密度が高い領域では、引力による衝突が繰り返し起こり、徐々に大きなかけらにに成長して微惑星となった。スノーラインの内側ではドライな岩石惑星が形成され、地球もこの時は海も大気もない乾いた岩石惑星だった。