タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宇宙の真理と般若心経

 今日は午後から安倍元首相の国葬が行われる。最近、メディアやネット上で国葬賛否の意見が乱れ飛んでいる。私は国葬賛成論者ではないが、国葬当日は、反対論者は黙して反対行動を執り行わず、反対でも賛成でもない人は、国葬の国を外して「葬儀」と捉え、故人の冥福を祈るのが、人としてのあるべき姿ではないかと思う。
 こんな時は、俗世間のごたごたから離れ、壮大なことを考えるのが良い。昨日図書館から、戸谷友則著の「宇宙の「果て」になにがあるのか」を借りて来た。その中で宇宙は、
 「インフレーションが終わり、それを引き起こしたポテンシャルエネルギーが相転移によって高温・高密度の物質と光に転化する瞬間がビッグバン宇宙の誕生である」
と書いてある。私の解釈により、この本に書いてある内容を想像力たくましく膨らませて模式化すると以下のような図になる。(誤解がないよう言っておくが、図中に使われている言葉は私の創作であり、著者がこの本で「この世」とか「あの世」とかと書いてはいない)

 この図に沿って宇宙創成期を説明すれば以下のようになる。
 「時間も空間も、そしてもちろん物質も存在しないあの世において、大きなエネルギーのゆらぎが発生し、あの世とこの世を隔てる壁を越えてしまった。エネルギーゆらぎが一旦この壁を越えると、より低いエネルギー状態へと変化すべく「インフレーション」が引き起こされ、空間が指数関数的に急拡大した。このインフレーション膨張が終了した時点で、あの世が内在していたポテンシャルエネルギーが相転移により一挙に解放され、物質と光に転化しビッグバンが起きた。このように生まれた宇宙は、その後もエネルギーレベルの坂道を転げ落ちるように状態変化し、あの世のポテンシャルエネルギーを更に解放しながら、空間を膨張させ、物質を作っていった。」

 もし、上述したことが真だとしたら、私たちが目にする物質も、その入れ物である空間も、全てエネルギーが変化したものだと言える。私はかねがね般若心経宇宙の真理を突いていると思っている。
  色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
上は、私が般若心経の中で神髄と思っているセンテンスである。ここで「色」や「空」をどう捉えるかで解釈が変わってくる。「色」は目に写るものと捉え、すなわち、物質と解釈すると良いだろう。次に「空」は、真空 あるいは空間と捉えることができる。このように捉えると、このセンテンスは、「物質と真空は異なるものではない(同じものである)」と解釈でき、宇宙の真理である「この世の物質も空間も元は同じで、あの世のポテンシャルエネルギーが変化した一つの状態」という、この世の神髄を言葉を変えて言っているだけと思えてくる。