タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

Withコロナ時代においての老後2000万円問題

 老後2000万円不足問題については 2/26のブログで考察した。f:id:TatsuyaYokohori:20210226154543p:plain
上図は2017年に厚生労働省が作成した資料からの抜粋で、平均的高齢者世帯の家計収支を示している。これによれば、高齢者世帯は毎月54,520円の赤字になり、これを貯金等の切り崩しで対応するため、これを30年間続けるためには、およそ2000万円程度の老後に向けての備えが必要になるという問題である。
 ところがこの問題がコロナ禍の中で状況が変わってきた。f:id:TatsuyaYokohori:20211206095959p:plain
 上表は2017年から2020年までのこの「老後2000万円不足問題」の推移を示している。何とこの問題が、2000万円から55万円まで縮小していることが分かる。コロナ禍で消費が減ったのである。実収入がなぜこんなに上がっているか分からないが、理由の一つとしては、過去数十年の共働き比率の上昇により、妻の年金収入が加算される世帯比率が上がってきたからだと考えられる。
 これを見ながら、「この2000万円不足問題は元々問題ではなかったのでは?」と思った。2017年当時も、お金に余裕のある世帯では支出が多く、この支出平均値を上げていたのだろう。一方で余裕のない世帯では支出を切り詰め、この平均値を下げていたに違いない。つまり「収入と蓄えに見合った生活をするだけ」と割り切れば、2000万円問題は問題ではなくなってくる。
 それともう一つ、「統計データにて平均的世帯像を描くのは問題だ」と思った。だいたい、この平均値に近い世帯は全体の何パーセントぐらいあるのだろうか? いまどき独身世帯はかなりあるだろうし、子供と同居世帯もかなりある。仕事を継続していてそこからの収入があればこの平均像から外れるし、都会と田舎の違いや子供の支援度合いの違いで支出量は平均像からかなり外れて来る。つまり、平均値的生活をしている世帯はそんなに多くなく、例え平均値に近い世帯であっても、その平均的な生活像は描けない。そして、そんな平均値から導かれた2000万円問題は、実体から外れた虚像の問題であったような気がするのである。