タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

私の経済活性化案

 今日は昨日に引き続き、日本の今後取るべき経済政策について考えてみたい。昨日は、「積極的財政出動」が今後の政策の基本方針と述べたが、今日は財政出動すべき対象分野を考えることになる。
 まず目的というか、目標とすべき将来像を考える。
f:id:TatsuyaYokohori:20211029142939p:plain
上図は一人当たりの名目GDPの推移を表しているが、日本(青線が90年代半ばぐらいから ほとんど伸びがなく、最近はとうとうOECDの平均になってしまったことが分かる。一方で米国もEU諸国も着実に伸びている。私は、目標とすべき将来像は「着実に成長する経済」であり、米国(年率1.5%)まで行かなくとも、せめてドイツ(年率1.3%)並みの経済成長を目標にすべきと考える。ここで細かい分析になるが、日本のGDPの伸び率は2010年から2019年までの10年間で年率1.1%であり、米国の1.5%やドイツの1.3%に対して極端に低いわけではないが、この10年間での労働参加率が年率0.8%で伸びているため、賃金アップに結び付く労働生産性の伸びが年率0.3%しかなかった点に注目したい。つまり、労働者の賃金が上がってないのは、経済が大して成長もしていないし、労働生産性も上がっていないからなのである。
 労働生産性を上げるにはどうしたら良いか? との設問に対し、若い頃「ものづくり世界一」を目指して頑張ってきた高齢者世代は直ぐに、「作業の効率化」とか「機械化による省人化」と思ってしまう。私は、日本経済が停滞している原因の一つに、この「ものづくりの精神」が微妙に効いていると思っている。
   f:id:TatsuyaYokohori:20211029143720p:plain
 マークアップとは製造コストの何倍の価格で販売できているかを示す指数であり、上図はその国際比較を表している。日本のマークアップ率が他国に比べ低いことが分かる。日本のものづくり精神は「良いものを安く」という方向で経済を長らく回してきた。これは特に製造業において顕著であり、極端な円高でも日本のメーカは生き残った。ところが最近は円安基調が長い間続き、しかも経済の中心は製造業からサービス業に移行している。そして「良いサービスを安く」という精神はサービス業でも受け継がれ、機械化や自動化に限界がある労働環境の中で、労働生産性を上げられないのでサービス料金を上げることができず、労働者は低賃金で働く結果となっている。こういう現状を踏まえて、今後の経済政策を考えなければならない。
 財政出動すべき対象分野として、安倍政権で生まれた内閣官房成長戦略会議でどんなことが計画されているか調べてみた。キーワード的には以下となる。
 ・デジタル化
 ・グリーン分野
 ・「人」への投資
 ・経済安全保障
 ・ウィズコロナ・ポストコロナ
 ・イノベーションへの投資強化
 優秀な官僚が作成した計画案を超える案を出せるはずもないが、何でも言える気楽な立場を利用し、低迷する経済への特効薬となることを期待しての私案を提案したい。
<誕生一時金給付>
 2020年の出生数は新型コロナの影響を受け、84万人と過去最低を記録してしまった。また、合計特殊出生数も1.34となり、2005年の最低値(1.26)に近づいてきた。経済成長には成長分野への投資が効くが、生まれた赤ちゃんへ給付金を出すことは、投資効果が長い間継続する一番の投資先だと考える。
 ・金額 一人目誕生時 200万円、二人目誕生時 300万円、
     3人目以降誕生時 500万円
 ・予算額(推計)
  年間出生数:90万人、一人当たりの平均給付金額:270万円 
  年間予算:2.43兆円(参考:2021年度一般会計予算額 106.6兆円)
 ・GDP押上げ効果:4兆円 (GDPを 0.7%押上げ)

成長戦略会議で提案されている施策は、経済成長をリードする(引っ張る)もののように思える。これはこれで良いのだが、時流が変われば的外れになる可能性がある。これに対し私案は、成長を後押しするものであり、必ずや成長にプラスになるものと信じる。