タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

新型コロナ3ヶ月予報(実効再生産数算定式)

 昨日は新型コロナ3ヶ月予報の前半と称して、現在の感染者減少傾向がいつ頃下げ止まりになるかを考察した。今日はいよいよ後半の第6波の感染拡大がどのように進むかの検討になるが、これをやろうとすると「実効再生産数」がどんな値で推移するかを予想しなければならない。そしてこれがなかなか難しい。
 だいたいにおいて、この実効再生産数というものは、ある時点までの過去データを統計処理して算出できるものだから、未来の値を予想する術は無い。今日は、敢えてその算定方法を編み出したい。
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 上表は、実効再生産数の算定方法を表としてまとめたものである。以下にその計算モデルを説明する。実効再生産数とは、一人の感染者が他の何人に感染させるかを示す指標であり、この値が1を超えれば感染拡大、1未満であれば感染縮小となる。現在、感染者数減少の状況が続いており、専門家にはその理由の説明が求められている。もし、この実効再生産数が、専門家らが言う「意識の変化」や「ワクチンの効果」をパラメータとして定量的に算定できるのであれば、これは将来の感染対策にとっての頼もしい拠りどころとして使える。上記算定表の基礎となる式は以下となる。
 -1. 他へうつす人数 = 接触者数 * 感染確率
 -2. 感染確率    = 感染対策すり抜け率 * ワクチン未接種率
この計算モデルは統計処理には使えない。この表で使われている「日常濃厚接触者」のような分類のデータが取れそうにもないからである。しかしながらこの計算モデルは「概念モデル」として使える。これを使えば、9月から第5波の感染者が急激に減少した理由がワクチン効果ではないと明確に断言できる。高々2週間でワクチン接種率は数%程度しか変わらないのだから、そんなもので実効再生産数が大幅に下がるはずがないのである。
 この算定表の中には、感染対策というパラメータがあり、私の見立てでは、このパラメータは通常の感染対策状態の日常(濃厚/軽度)接触環境では数%以内と見積もっている。そしてこの値がデルタ株出現時には15%程度にアップしたと考えている。それまでと同様の感染対策では感染してしまう人が続出したわけである。つまり、このパラメータはウイルスと人間との関係で決まり、特に家庭外の環境において新しい強力な変異株が出現した場合、値が大きく跳ね上がる特性を持つ。逆に言えば、デルタ株以上に強力な変異株が今後現れないと仮定すれば、第6波においても、実効再生産数の値が極端に跳ね上がることはないと予想できる。f:id:TatsuyaYokohori:20211012152910p:plain
 上表は第5波下げ止まりと第6波第1フェーズの実効再生産数の予想値である。明日はいよいよ第6波の感染拡大がどうなるかを予想したい。