タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

第5波感染予側の振り返り

 先月の28日に新型コロナ第5波のピークアウト時期の予測をした。今日はその日からちょうど一ヶ月過ぎたので、第5波に関する過去の予測がどの程度当たったかの振り返りを行った。f:id:TatsuyaYokohori:20210827205717p:plain
<振り返り>
1.第5波襲来予想的中について
 -4月の時点で来襲予想は可能であったし予測難易度はそう高くなかった
  <理由>
  ・4月にデルタ株がインドで猛威を振るっており感染力の強さが十分予測できた
  ・既に日本に侵入済みで、ある程度広がっている証拠があった
 -今後のラムダ株の襲来について
  ・襲来して第6波となる可能性は十分有り
  ・今後ワクチン接種が更に進むので、感染規模は第5波より小規模になる
  ・事前準備事項
   -ラムダ株に対するワクチンの有効性調査
   -ワクチン3回接種準備
2.第5波ピークアウト予測
 -第5波のピークアウトする理由を「他人事に聞こえていた緊急事態宣言が自分事に聞こえ出す頃ピークアウトする」としたが、ほぼそれで当たっているように思えた。
 -ピークアウト時期やピーク値の予測は難しいことを実感した
  <外れた理由>
  ・他人事から自分事に変わる時期とその状況として、第3波のピーク時(1月7日~1月21日)で東京都が医療崩壊に陥る寸前まで行った時を推測算定のベースとしたが、その後医療体制が補強されたため、第5波では重症者数が第3波の最大値を超えても医療逼迫程度にしかなっていなかった
  ・社会心理学的な要因は、定性的な理由付けとしては有効だが、定量的算定に使用するのは難しい
3.オリンピック実施の是非
 今回の私の予想の背景にある考えは、「他人事に聞こえていた緊急事態宣言が自分事に聞こえるようになるまでは感染拡大は止まらない」である。つまり、政府もメディアも専門家も「オオカミが来るぞ」と叫ぶだけのオオカミ少年になっていたので、アラート情報の受け手側は、本物のオオカミと出会わない限り対策行動を起こさないようになっていたのである。この考えが正しいとするなら、①オリンピックを中止、②オリンピックを無観客で実施、③オリンピックを有観客で実施、この3つの選択肢のどれを選択しても、第5波の感染拡大の程度に大きな差は出なかったことになる。もし「これが真実です」と言われたら、メディアや専門家はどう反応するであろうか?

 惨状が続くと、人は誰もがそれを誰かや何かのせいにしたがる。世論調査では内閣支持率が最低を更新した。多くの人が政府のコロナ対策に不満を持っている表れだろう。しかしながら私の見立てでは、ここまで政府がやってきたことに大きな失策はない。確かに小さい失敗は沢山あって、マスメディアは事細かく非難報道を繰り返すが、100年に一度のことを初めてやっているのだから小さな失敗はあるものだ。一般庶民は専門家の言うことが正しいと思っているが、専門家は自分の狭い専門領域内で自分の意見を述べているだけであり、概ね言っていることに間違いは無いが、それが全体的なバランスを見通した「最適解」になっているかと言えばそうではない。実際、今回の第5波が状況悪化した時、専門家集団は打つ手なしで有効策を何も進言できなくなってしまった。最適解になっていなかったであろうし、「リスク管理では作戦が上手く行かなかった場合どうするかも考えて作戦を決める」という点も抜けている。日本もこれを機に、有事の体制作りから始めるべきだと思う次第である。