タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

感染者数減少の謎

 新型コロナの感染者数減少が続いている。減少するメカニズムについては、9/9のブログにて既に説明しているが、専門家も口にする「意識の変化」と同じ理由と言って良い。ただ、意識の変化だけでは、ここまで減少が長続きしないと思われるので、再度、考察を行う。まず、第4波と5波で感染の規模が大きく変わった理由を考えてみる。
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 上図は、感染対策度合いを指標に各度合の人数割合が正規分布となると仮定し、その中に感染するかしないかの境界を示す閾値を書き込んだグラフである。第4波α株に対し第5波δ株の感染力が各段に上がったため、図で示すようにα株の閾値に対しδ株のそれは大きく右に動き、閾値より左に位置する「感染可能性有り人口」が数倍に膨れ上がった(実際の感染者数ピーク値は、第5波δ株が4波α株の4倍程度に膨らんだ)。
 もう一つ注意すべきは、この感染対策度合い毎の人数分布(正規分布)は、家庭外の公衆環境と家庭内環境では大きく異なる点である。f:id:TatsuyaYokohori:20211007225219p:plain
 上図は家庭外の公衆環境では、結構感染対策を徹底している人達が家庭内では大幅に不徹底側に振れてしまうことを示している。これは、家庭内に感染者が一人でも出ると家庭全体に感染者が広がってしまうことを示しており、また、家庭外感染がピークアウトしてもしばらく家庭内感染が続き、感染がオーバーシュートし易いことを示している。
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 上図は9/9のブログで説明済みだが、第5波がピークを迎えようとしていた時、医療崩壊の危機が迫り、その恐れのため皆の意識に変化が生じ、正規分布曲線が青線から右方の橙線に移動し、結果的に感染可能性有り人口が大幅に減少し、新規感染者数も減少に転じたことを示している。私は以前のブログで、この意識の変化が起きる時期を「他人事に聞こえていた緊急事態宣言が自分事に思えて来た時」として、この「意識の変化」が急激に起きるから感染者も急激に減少すると説明した。
 しかしながら、この「意識の変化」だけでこんなに長く感染者数減少が続くとは思えない。10月1日からは全国で緊急事態宣言も、まん延防止措置も解除になっていて、「意識の変化の揺れ戻し」があっても良さそうなものなのに、感染者数に下げ止まりの兆候がまだ見えないのである。心当たりはワクチンの効果である。ここへ来てワクチン2回接種者が60%超えた。この効果はやはり大きいと言える。
 以上をまとめると、新規感染者数が減った(減り続けた)理由は以下となる。
1.8月中旬~9月中旬:第一要因は「意識の変化」による自粛等の対策の徹底
2.9月中旬以降:意識の変化(第2要因)+ワクチンの効果(第1要因)