タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

長身遺伝子は存在するか?

 巨人軍の高卒ルーキーとして身長2mの選手が入団したとスポーツニュースで言っていた。入団時に2mだったが、現在はその身長が更に伸びて202cmになったそうだ。ふと、『長身の遺伝子ってあるのだろうか?』と思った。1/16のブログで「ダーウィンの進化論は間違いか?」と疑問を呈していたが、そのブログでは、人とホヤとの遺伝子の62%が共通であり、基本的な遺伝子は脊椎動物の祖先が出現した太古の時代にもう8割がた揃っていた と説明した。最近読んだ本では、人間とチンパンジーでは99%もの遺伝子が一致していると書いてあった。これはまるで、「生物の形態の違いは遺伝子だけで生み出されるものではない」ということを暗示している。
 長身の遺伝子というものは多分無いだろうと思っている。あるとすれば、成長を促すホルモンを作り出す遺伝子 ということになるが、この遺伝子は全ての人が持っていると思われる。何故なら、もし持っていなければ成長できないことになるからだ。それでは、長身の人と短身の人と何が違うのかと考えれば、普通の人は成長ホルモンの分泌が15、6才で止まるのに対し、この巨人軍高卒ルーキーは18才になって以降もまだ分泌続けている点が違うと思われる。
 それにしても、遺伝子たった1%の違いが、どのようにして人とチンパンジーを隔てているのか分からない。だいたいにおいて、人の染色体は23対、チンパンジーのそれは24対、染色体の数からして違うのに、遺伝子がたった1%しか違わないというところも謎である。可能性を色々考えてみた。ゲノムの中には、蛋白質の構成アミノ酸をコーディングしている「遺伝子領域」とコーディングしていない「ジャンク領域」があると言う。ここで成長ホルモンをコーディングしているのが遺伝子領域に存在する遺伝子だとすれば、その遺伝子の作動スイッチがいつからONになり、いつOFFになるかを調整するのは、ひょっとしてまだ解読が進んでいない「ジャンク領域」に存在する未知の何かなのかも知れない。もしこの推測が正しいとしたら、人とチンパンジーは遺伝子では1%しか違わないが、その遺伝子のON/OFFを調整するジャンク領域が大いに異なっているから、こんなにも異なる種へ分化してしまったことになる。そして生物の進化は、遺伝子の違いで起きる以上に、その遺伝子のON/OFF調整の変化により起きることになる。
 それにしても、生物の未知の領域を色々空想するのは楽しいことである。