タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

豪雪予報は可能か?

 昨日から今朝までここ富山では25cmほど新雪が積もった。昨日から大雪警報が出されていたが午前中には晴れ間も見えて解除され、今回の強い冬型はここ富山においては峠を越した。一方で今回の冬型では、東北や北海道においては猛吹雪となり、これらの地方では今日いっぱい注意が必要である。
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 今回の冬型では、富山で29日未明から雪が降り始めた。
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 29日は丸1日雪が降り続いたが、昼間は溶けながら降ったので10cm程度しか積もらなかった。
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 雪は夜間も時には激しく降り続いたが、30日朝にはほとんど止んでいた。今月7日~10日の豪雪と今回の標準冬型を比べると以下となる。
豪雪冬型:1日50cm積もる大雪が2日続き3日目も20cm積み増した
標準冬型:1日25cm積もる大雪が丸1日続いた
両者を比べるとこんなに違うのに、出されたのは同じ「大雪警報」であり、豪雪と予測が付く場合は「特別警戒警報」を出してもらいたいと思った次第である。
 それでは、豪雪予報はできるであろうか?f:id:TatsuyaYokohori:20210108115359p:plain
 上は一晩で50cm積もった前回の「降雪開始から24時間経過」した時点の天気図と衛星画像である。この気象状態がそのまま次の24時間も続き、48時間積雪量が史上最深となった。この豪雪タイプの場合、日本海に気圧の谷が出現し、この低圧部で積乱雲の雪雲が発達して、北陸地方の平野部に大量の雪を降らせる”里雪型”の大雪になるわけである。
 この日本海の低圧部は、強い寒気の中心が日本海中央まで南下し、上空の寒気と海面の温度差が非常に大きくなることで生じると思われる。このような状態になると大気の状態が不安定になり、激しい上昇気流の中で積乱雲が形成され、このようなミニ低気圧が季節風に沿って線状に連なり気圧の谷となるわけである。
 一方標準タイプの冬型では、寒気の中心が北海道ぐらいまでしか南下しないので、オホーツク海の低気圧は発達して結構強い季節風が吹き、日本海には筋状の雪雲ができるが、積乱雲の雪雲形成には至らず、日本列島の山脈にぶつかり雪を降らせる”山雪型”となるのである。
 このように考えると、豪雪タイプとなる条件が見えて来る。そしてそれは、「非常に強い寒気が日本海中央まで南下し長時間居座る場合」となる。前回の豪雪時の気象予報では、上空5500mの気温やその寒気が日本列島をすっぽり覆うくらいにまで南下すること、またその寒気団が3日程度居座ることも予測されていた。これはつまり、現在の気象予報技術で「豪雪予報」が可能であることを意味している。最近は台風の進路もかなり正確に予測できるようになってきたし、その予報がTV等で報道されるようになってきた。私の見立てでは、豪雪予報も現時点で台風と同じように「今度の大雪は令和3年豪雪と同程度の豪雪になりそう」と予報できると思われる。そして、予測できていたのに予報として報道しなかったのは、このような気象現象がここ30年無かったため、実測データの裏付けがなく、自信を持って「災害級の豪雪になる」と言えなかったからだと思われる。