タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

ワクチン接種とリスク

 世の中に新型コロナウイルスのワクチンの話がよく流れるようになってきた。そんな中、メディアは必ず副反応についても報道する。副反応はどんなワクチンにも付きものなので、副反応の怖さばかりをアピールするのではなく、そのリスクの程度が分かるように報道して欲しいものだと思う次第である。
 今回のワクチン接種でアナフィラキシーショック副反応が生じる確率は10万人に一人と言われている。そしてその確率はインフルエンザの10倍程度とのことである。また、アナフィラキシー以外の副反応(接種部位の痛み、腫れ、発赤、全身症状としての発熱、倦怠感、頭痛、寒気)については、一般に生じるものであり、取り立てて問題にすべきものでもない。
 ただ、このように説明されても、日本人はリスクという言葉が嫌いであり、リスクはあってはいけないもの、ゼロリスクが本来進むべき道 と思っている人が多いので、ワクチン接種を希望しない人も結構いると思われる。もちろん中には、自分の免疫力での感染確率と副反応を天秤にかけ判断する人もいるので、受けるか受けないかは、正に個人の判断と自己責任の世界となる。
 私は、今回のワクチン接種については、「受けたくないなら受けなくても良い」程度の緩い推奨で十分だろうと思っている。理由は、欧米に比べて感染率や致死率が遥かに低いからである。もちろん現時点で、ワクチン接種での副反応のリスクと非接種での感染致死のリスクを比較すると、日本においても「接種した方が良い」となるし、高齢者においては尚更そうだと言えるが、不安だけを煽る輩が多い中、政府が半強制的に国民誘導をすれば、返って反発を買うことになるのではと懸念される。ここは、「ワクチン接種は集団免疫を作るため、集団免疫は国民の6割も接種すれば十分」と ワクチン接種目的を公衆衛生の観点で捉え直し、むしろ、「供給された分を速やかに希望する人に接種する」との方針にてやった方が良いと考える。ワクチン供給が遅れ気味になる可能性が十分あるので、言い方は悪いが「受けたくない人は放っておけば良い」と思う次第である。